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クリード チャンプを継ぐ男 (2015)

CREED

監督
ライアン・クーグラー
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4.06 / 評価:3,133件

解説

シルヴェスター・スタローンが演じた『ロッキー』シリーズのロッキーが、ライバルのアポロ・クリードの息子と再びボクシングの世界に身を投じるさまを活写した話題作。アポロの息子アドニスが、トレーナーとなったロッキーのもとでボクサーとして成長する姿を見つめる。メガホンを取るのは、『フルートベール駅で』で注目を浴びたライアン・クーグラー。スタローンと『フルートベール駅で』などのマイケル・B・ジョーダンが、師弟となるロッキーとアドニスにふんする。熱いドラマはもちろん、ボクシングシーンも必見。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

ボクシングのヘビー級チャンピオンであったアポロ・クリードの息子、アドニス・ジョンソン(マイケル・B・ジョーダン)。さまざまな伝説を残したアポロだが、彼が亡くなった後に生まれたためにアドニスはそうした偉業を知らない上に、父との思い出もなかった。それでもアドニスには、アポロから受け継いだボクシングの才能があった。そして父のライバルで親友だったロッキー(シルヴェスター・スタローン)を訪ねてトレーナーになってほしいと申し出る。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2015 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
(C)2015 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

「クリード チャンプを継ぐ男」運命という強敵に向かうアポロJr.と老ロッキー 世代を超えた熱いファイター讃歌

 アポロの遺児がロッキーから特訓を受け、世界チャンプを目指す--。ひとつ間違えれば一笑に付されかねないアイディアに「いや、傑作になる」という確信を持たせたのは、中年ロッキーのリング復帰劇を画で納得させた「ロッキー・ザ・ファイナル」の成功と、シルヴェスター・スタローン自身が“ロッキー伝説”を体現する役者だからだろう。

 1976年の「ロッキー」によってトップ俳優の座に登り、80年代にはアクションスターとして頂点を極めたスタローン。その筋肉ヒーローぶりは強国アメリカのアイコンとなり、そして時代の趨勢と共に勢いを失っていった。しかし2000年代にはロッキーほかランボーといった当たり役に再び取り組み、また往年のアクション俳優たちの梁山泊「エクスペンダブルズ」シリーズなどマーケットを絞った作品を展開させることで、再び役者としての活路を見出している。

 打たれて倒れても、前のめりに立ち上がる。この不屈の姿こそ、まさしくロッキーそのものなのだ。

 「クリード チャンプを継ぐ男」は、偉大な父の呪縛にあらがうアポロの実子アドニスと、老いがもたらす試練に立ち向かうロッキーの、二つの人生模様を併走させる。そしてロッキー自らがトレーナーとなり、アドニスを世界ヘビー級王座の道へと歩ませるドラマは、必然的に第1作目の「ロッキー」の韻を踏んでいくのだ。この構成は、アポロJr.と同世代の観客にロッキー伝説の何たるかを啓蒙し、スタローン世代には、名作を反復することで涙腺の決壊を促していく。

 だが、それぞれ世代差はあっても「強い者が勝つ」という勝負の世界が普遍的であるように、観る者を奮い立たせる「アメリカンドリームの物語」もまた普遍的なのだ。

 同時に本作は、ロッキーの「贖罪」の物語でもある。「ロッキー4 炎の友情」(86)で、アポロのエキシビションマッチにセコンドとして立ち会いながら、タオル投下を拒まれ、かけがえのない友を死なせてしまったロッキー。彼はアポロの息子を一人前のボクサーに鍛えあげることで、自分を苛み続けてきた罪をあがなおうとする。米ソ対立の代理戦争のようなストーリーから、悪く受け取られがちな「ロッキー4」。だが、それを正史として踏まえ、今回のような血も沸騰する熱いドラマが生まれるとは、まさに清濁併せ呑んでこその同シリーズと言えるだろう。

 かなりスタローン寄りのレビューになったが、「シニアコンテンツかよ」などと嘲ることなかれ。運命という強敵に向かうアポロJr.と老ロッキーの生きざまは、世代を超えたファイター讃歌として観る者のボディにズンと響く。

 耐えて耐えて耐え抜いて、心で受けろ、その熱いパンチを!!(尾崎一男)

映画.com(外部リンク)

2015年12月17日 更新

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