ここから本文です

シン・ゴジラ (2016)

SHIN GODZILLA

監督
庵野秀明
樋口真嗣
  • みたいムービー 3,325
  • みたログ 4.6万

4.08 / 評価:40,624件

予想を数十倍上回った 史上最高級のゴジラ

  • 野良レビューワ さん
  • 2016年7月30日 21時50分
  • 閲覧数 16859
  • 役立ち度 1128
    • 総合評価
    • ★★★★★

 我ながら、そういう先入観を持つことの愚かさ、嫌味さはわかってはいるが、邦画はおしなべて小馬鹿にしているところがある。特にSFやファンタジー関係ね。ノロいテンポ、間の抜けた設定、ダルい「人間ドラマ」や安っぽい恋愛、チャチなVFX。人生の無駄をしたと後悔しない自衛策として、「邦画は観ない」ことにしていた。
 今回も、土曜日ごろ寝していて、このまま一日終わるのはもったいないと、たまたま時間つぶしに近所の映画館に出かけただけ。何を観るかさえ決めていなかったが、待たずに上映開始というだけで、チケットを買った。

 結論を申せば、非常に観客が没入できるいい出来だと感じた。
 私はおっさんなので庵野さんという人の『エヴァンゲリヲン』にも不案内、東宝怪獣シリーズも、ゴジラがシェーをした時点で子供ながら見切りをつけて以後は観たことがないから、そういう歴史だの背景だのコンテクストだのを知らぬのだが、気がつくと力を込めて膝を手で握ったりしていた。

 1)すぐに事件が起きる。いつまで経ってもサメも怪物も姿を見せないなんて出し惜しみはない。

 2)登場人物が、官僚的な枠組みの中にありながらも、みなそれなりに日本のため国民のために事態を何とか解決しようと一生懸命であり、好感が持てる。

 3)ストーリーを止める「人間ドラマ」も「恋愛」もなく、「俺たちゃ怪獣が、軍隊の奮闘が見たいんだよ」という欲求に正面から応えている。

 4)核分裂反応を利用できる「生物」なんているわけないだろうとか、通常兵器での攻撃に対してあそこまで平気なわけはなかろうとか、「科学的」には疑問でも、なんだか「もうここは作中人物のいうことを聞いておいて、本筋に集中しよう」と観客に思わせるのが上手い。

 5)映像。私はあまりにもCGの塊みたいな映画は好みではないのだが、慣れ親しんだ東京や神奈川の実景が、(私の目には)見事に破壊されてゆく、両者がうまく絡み合うよくできた映像。日本映画でここまでやれるんだと感動した。

 6)役者さんの英語が上手。なんだかんだ言って、石原さとみって人も俳優としての才能があるんだなと思わせる。

 7)名の通った役者をあんなにたくさんキャスティングしてどうするつもりだ、と思ったら、非常に上手に交通整理できている。

 8)そして、ゴジラ怖い。第一作も怖いが、今回のは体格も顔つきも破壊力もより怖い。あんまり思想性とかはなく、ひたすら天災のごとく、ただ本能(かな?)にドライブされて突き進む怪物は、かえって象徴性を帯びる。体内の熱が、溶岩のように赤熱して見えているのが、個人的には好きなビジュアルである。

 などなど、取り留めもなく要素を羅列したが、これは料金以上の満足を与えてくれる、近来まれな日本映画であると私は感じた。映画館を出て、居酒屋でネットの掲示板を見ながら、楽しく飲んだ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • スペクタクル
  • パニック
  • 不気味
  • 恐怖
  • 知的
  • 絶望的
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ