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ミラクル・ニール! (2015)

ABSOLUTELY ANYTHING

監督
テリー・ジョーンズ
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3.36 / 評価:511件

解説

コメディーグループ「モンティ・パイソン」のメンバーが再結集し、『宇宙人ポール』などのサイモン・ペッグを主演に迎えたSFコメディー。いつの間にかエイリアンから地球存亡の命運を託され、強大な力を授かった教師が巻き起こす騒動を描く。監督はテリー・ジョーンズ、モンティ・パイソンのメンバーがエイリアンの声優を務めるほか、2014年に亡くなったロビン・ウィリアムズが主人公の愛犬デニスの声を担当している。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

はるか銀河系の彼方ではエイリアンたちが地球を滅ぼそうと画策していたが、一度だけ地球存続のチャンスを与えなくてはならないというルールが存在していた。そこで彼らはロンドンの教師ニール(サイモン・ペッグ)を適当に選出し、全知全能の力を授ける。何も知らぬまま地球の命運を託されたニールだったが、そのパワーで愛犬デニスと会話をするなど、くだらないことに能力を使ってばかりで……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2015 Anything Absolutely Ltd All Rights Reserved
(C)2015 Anything Absolutely Ltd All Rights Reserved

「ミラクル・ニール!」伝説的なコメディ俳優が揃い踏みした、かつてない偉大な珍作

 一言で、しょーもない映画だ。でも独特の愛らしさにあふれ、どこか放っておけない気にさせる。何よりもこの緩さあってこそ、サイモン・ペッグ、ロビン・ウィリアムズ、そして60年代に誕生した伝説的コメディ集団“モンティ・パイソン”という前代未聞の顔合わせが実現したのだ。これはちょっとした事件と言っていい。

 ストーリーは唐突に始まる。70年代に打ち上げられた探査機がついに宇宙人の元に届き、彼らはメッセージとして搭載された男女の裸の絵を見てゲラゲラと大爆笑。これはとんだ下等生物からの贈り物だと判断し、ただちに地球の破壊を決めてしまう。だがその前に最後のチャンスを与えよう。無作為に抽出した人間に全知全能のパワーを授け、その様子を天上からつぶさに観察しようというのだ。

 そんな経緯で突如パワーを手にするのが学校教師のニール(ペッグ)である。右往左往した挙句、いたずらに「愛犬よ、しゃべれ!」と願うと本当に喋りだす始末。この犬の声をロビン・ウィリアムズが担当しており、観る側は彼の一言一言に笑わせられつつも、これが正真正銘、ロビンとの最後の別れになることを考えると、一抹の寂しさすらこみ上げ……いや、感傷的になるのはよそう。これは底抜けに明るいコメディなのだから。ともあれ、地球の命運はニールと愛犬にかかっている。その重責もつゆ知らず、ああでもない、こうでもないと言いながらパワーの使い道に悩む二人の後ろ姿が、どことなく可愛らしい。

 一方、宇宙人キャラに声を吹き込んだモンティ・パイソンも、今やみんな70代のおじいちゃん。メガホンを取ったテリー・ジョーンズ(彼もパイソンズの一員)によると、「メンバー全員が映画に集うのはこれで最後かも」とのこと。タブーを恐れず宗教論争まで巻き起こした往年の破天荒さはないにしろ、常識を思い切り俯瞰してみせる視点、努力すればするほど状況悪化を招くシュールな展開にはパイソンっぽさが感じられ、その最大瞬間風速に誰もがニヤリとしてしまうはず。

 かくも様々な要素が入り乱れ、言い様によっては故人や宇宙人さえ招聘し、すっかり時空を超越してしまった感のある本作だ。まさに笑いは世界を救う。「しょーもない」どころか、映画史的にも類を見ない偉大な珍作と言うべきなのかもしれない。(牛津厚信)

映画.com(外部リンク)

2016年3月24日 更新

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