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あやしい彼女 (2016)

監督
水田伸生
  • みたいムービー 1,435
  • みたログ 5,055

4.14 / 評価:3841件

生きることの意味、大切さを描いた秀作です

  • gnadnam9595 さん
  • 2016年4月2日 10時29分
  • 閲覧数 5509
  • 役立ち度 42
    • 総合評価
    • ★★★★★

韓国映画のリメイクなので、この言葉は当てはまらないかもしれませんが、松竹映画らしい「人情喜劇」、しかも、ちょっと古風な雰囲気の笑って泣ける作品でした。

毒舌な下町に住む元気いっぱいの73歳のおばあちゃん・カツ。
シングルマザーの娘とロックバンドをやっている孫と暮らし、いつも2人のことを気にかけている。
ある日、写真館の入口に飾られているオードリー・ヘップバーンの写真に魅かれ、中へ入っていく。
写真館で写真を撮影してもらったカツは、突如、20歳に若返った自分の姿を見る・・・。

なぜ、この写真館で撮影してもらったら年齢が若返ったかの説明がありません。
「説明が欲しい」と思われる方もいらっしゃると思いますが、この映画は当然フィクションなので、自分は特に気になりませんでした。

戦後の貧しい時代を生き、夫に先立たれ、病気の娘を育てながら懸命に生きてきたカツ。
若いころ、やりたかったこと、できなかったことをやろうと、第二の人生の出発が始まります。

人間には、必ず臨終を迎える日が訪れます。
しかし、そのときが来るまでは人は生き続ける。
命のある限り、どんなに歳を重ねようと人生を前向きに進む。
どんな小さなことでも、最後が訪れるまで夢や希望、目標を持ち続けることの大切さが、この作品のテーマのように感じました。

モノのあふれた現代、ある意味簡単に自分の欲しいものが手に入ってしまいます。
苦労をして、苦労をして、それでも自分の夢をつかめなかったカツに苦労を知らない今の若い人の姿が歯がゆくて仕方ない。
20歳の姿になっても毒舌を吐く姿が、とてもユーモラスであり、また説得力があり楽しかったです。

節子と名前を変えたカツがふとしたことで知り合う音楽プロデューサーの小林。
仕事人間で人生の中に”楽しみ”を見つけられないでいる彼に生きることの素晴らしさを伝える節子のセリフが温かみがあり、感動的です。
今の時代、”苦労”なる言葉は存在しないのかもしれません。
でも、努力もなしに掴み取ったものに価値などない。
頑張って手にしたものが、本当の幸せなのではないでしょうか?
古臭く、お説教じみた節子の言葉のひとつひとつが重く、そして胸に響くものでした。

節子を演じた多部未華子さんの演技が本当に良かったです。
シーンごとに様々な表情を見せてくれ、歌うシーンも胸が熱くなりました。

「人生をやり直せたら、何がしたいか?」
もし、そのようなことが実現できたら最高ですが、実際は人生は一度きりです。
今、生きている、この時間、この瞬間を大切に、そしてありがたく思いながら前へ進む。
老人のお説教っぽいテーマでありながら、それを感じさせず、笑いと涙のエンタテインメント作品に仕上げた水田伸生監督の手腕も見事でした。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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