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クリムゾン・ピーク
2016年1月8日公開

クリムゾン・ピーク

CRIMSON PEAK

R15+1192016年1月8日公開

bakeneko

5.0

ネタバレ画面を染める赤、紅、朱、丹、緋…

自分の過去作:「デビルズ・バックボーン」や「パンズ・ラビリンス」の流れを汲んだギレルモ・デル・トロのゴシックホラーで、20世紀初頭を舞台にして、アメリカから英国の準男爵家に嫁いだヒロインの怪異な体験が、絢爛たる色彩と時代色豊かなセットの中に描かれていきます。 ロバート・ワイズの「たたり」やジャック・クレイトンの「回転」を基本形にして、「ジェーン・エア」(本映画のテーマ曲も映画「ジェーン・エア」風!)、「嵐が丘」、「青髭」といった文芸的なプロットも採り込んだゴシック・ホラーで、赤に凝った色彩美や絢爛たる衣装&当時を再現した街並みや邸宅、そして美男美女の主要キャラクター達が豪奢な観賞感をもたらしてくれます。 様々な怪奇映画のモチーフも使われていて、 「吸血鬼ノスフェラトゥ」のドイツ表現主義的な“影から見えてくる怪異”描写から始まって、 ドラキュラシリーズで有名な英国のハマープロの怪奇映画シリーズ(そもそもヒロインの苗字:カッシングからして、ハマーの看板俳優:ピーター・カッシングに由来しています)、「血とバラ」、「世にも怪奇な物語」などのロジェ・ヴァディムらフランス&イタリア系のロマンホラーの感覚、 そして、スペイン系のルイス・ブニュエルの映画から、蛾や蟻といった昆虫や「嵐が丘」の幽霊の造形、「黄金時代」を始めとした骸骨と死のモチーフ …などを取り入れて上手くミックスしている作品で、ヒロインの作家志望には「フランケンシュタイン」の作家:メアリー・シェリーのキャラクターも反映されています。 何故シリンダー蓄音器に音声を残しておく余裕があったのか?(そして破棄せずに残していたのか)とか、いくらでもヒロインを始末するチャンスがあったのに?&終盤の助けに来た男への中途半端な攻撃など、サスペンス的には突っ込みどころも多い作品ですが、現在にゴシックロマンを再現した心意気を買って絢爛たる色彩美を愉しみましょう! ねたばれ? 1、やはり、“小姑は鬼千匹”だよねえ~ 2、クリムゾン: crimson)は濃く明るい赤色で、若干青みを含んで紫掛かる、彩度が高く、色彩環上ではマゼンタと赤の中間に位置する。元来は昆虫であるコチニールカイガラムシを乾燥したものから得られる染料の色であったが、一般的に赤い色を指し示すようになった(Wikiより)―それで映画に虫が出てくるのかな? 3、真冬なのに何故蛾がいるのかな?(そして劇中で語られる“蝶を食べる蛾”は自然界にはいません―姉弟は自分達を蛾に擬えているようですね) 4、死後何年も経っているならともかく、死にたての時はもっと普通の顔で出てきたほうが良いのでは?お母さん!―娘が恐がるじゃない!

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