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サウルの息子 (2015)

SAUL FIA/SON OF SAUL

監督
ネメシュ・ラースロー
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  • みたログ 1,150

3.47 / 評価:849件

あくまでもサウルの視点

  • yvz******** さん
  • 2021年4月9日 3時00分
  • 閲覧数 544
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

与えられた仕事をただただ黙々とこなし続けるゾンダーコマンド。
ただほんの少しそれ以外の収容者より長く生きられるというだけ。
毎日何百何千と出るユダヤ人の死体は少し後の自分たちの姿であり、ガス室に入る前の
「コーヒーが冷めるから早くしろ」
「服をかけたフックの番号を忘れるな」
「シャワーのあとには温かいスープが出るぞ」
と言いながら二度と生きては出られないその場所に誘導し、その後の処理や掃除。
心なんて持っていたらやれることではないでしょう。
冒頭からただただ生きたロボットの如く仕事をこなすサウルの顔には心がなく、表情がない。
それを際立たせる手法としてサウル以外とサウルと絡む人物以外の周りの背景や人々は常時ピンぼけした撮影技法を用いており、さらにはハンディ撮影の様にサウルに常に寄って撮り続けているため、ブレや引きの絵がまったくなくこれが見始めから慣れるまではかなりきつかったですね。

前述した様に素人判断では恐らくこのような状況下で心を無にするしかできなかった状態をこの技法で表しているのだろうとは推測できるのですが、とにもかくにも見づらい事は否定できず。
また、結局息子が本当に息子だったのかの真相もこの作品では恐らくどうでも良い事であり、死んだような状況下でただ、たまたま見つけてしまった少年の遺体にかけらほど残っていたであろうサウルの感情の部分が揺れ動いてしまった、少年の遺体に対する執着はそれをあっさり手放してしまえばまたいつ殺されるかもわからない地獄の様な状況下で感情を無にして働き続けるしかない日々に戻ってしまうからだと思われる。
少年の遺体はサウルにとってはただのきっかけに過ぎなかったのだと思う。もちろんその自覚は彼にはないと思うが。
ラストで農民の子供と目が合い微笑む彼の表情でその様に解釈する事ができた。
サウルにとっては流されてしまったあの少年の遺体である理由はどこにもなかったのだと。

また、他のゾンダーコマンド達が秘密裏に反乱計画をたてているのだが、この下りに関しては当事者たちにしかわからないような造りになっていて観ている側に親切な説明描写は全くない。
なので、他のゾンダーコマンド達との関係性とか、爆薬を受け取りに行った先の女が何者なのかとか、そういった事は一切不明。
見ておいても損はないとは思いますが、ナチス関連の作品が好きな方でも好き嫌い分かれやすい代表的な作品。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 不思議
  • 絶望的
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