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キャロル (2015)

CAROL

監督
トッド・ヘインズ
  • みたいムービー 1,644
  • みたログ 3,587

3.59 / 評価:2319件

ひと味違えばすべて違った作品

  • bar******** さん
  • 2017年2月5日 14時09分
  • 閲覧数 1779
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

女性同士の恋愛映画。舞台は1950年代のアメリカ。

いろいろと考えさせられる内容だったと思います。詳しくはあらすじを見ていただくことにして……。

テレーズとキャロルの惹かれ合う関係。たぶん余計なことをここに付け足すのは間違いなのだと思う。この映画は「そういうふう」にしか描いていないし、不幸な結婚とか、流されるままだった人生とか、バックボーンはきちんと描かれているけれど、恋愛ってそういうもんじゃないと思います。

何かから逃げるため? 旅はそうでしょう。でも恋しい人に近づいていくのは逃避なんかじゃないと思います。それは前進です。

だけど女性同士は? これを男性同士は? と言い換えてもいいけど、周囲の眼差しというものがあります。それを無視することができれば、それは聖人様だと思いますけど、この映画はきちんとそのあたりを描いている。もちろん1950年代流で。他人から承認されることのない恋愛。

唯一、ぼくの不満点なのですが、文学的な文脈を持たないまま、単なる女性同士の恋愛というシンプルなもので終わってしまった観があるので、マイナスとしました。「結局、何が言いたかったのか?」同性同士の恋愛は、肉体的欲望が介在しないから純粋だということでしょうか? 周囲からの冷たい眼差しという障害を乗り越えたところ、高揚する恋愛感情を描きたかったのでしょうか? それともやっぱり、逃避なのでしょうか? 

恋愛は確かに個人的なものだと思います。でも作品は常に一般的なものを目指すものではないでしょうか? 非常に個人的な恋愛は、介在するものが少なく美しいと思います。でもそこから我々が、興味深いものとして受け取れるものは何でしょうか? 
恋愛が単なる惹かれ合う関係だとしたら、それ以外のものではないわけなので、我々はテレーズのように運命的な出会いを待つだけなのでしょうか?

たぶん、ぼくが男だからですね(悲)
結局いろいろ余計なことを付け足してしまいました……。
車上での表現は非常に見事だったと思います。独創的で。
でもこれはやっぱり女性向けの映画なのかなあ……静かな映画なのでそこはすごく好みです。

ただ「特別な作品」ではないですね。良くできた映画ではありますが。
リアルで、美しくって、そして切なくて……重々しくって、カラッと乾いた冬の中の、しっとりとした恋愛……静かでロマンティック。
でも何かが足りないんですね。
それを説明することは非常に難しいのですが。たぶんラストをちょっと変えれば全て変わったと思います。さまざまな点は高評価なだけに残念。

でも、ときどきは思い出すと思います。それだけ車上のシーンや雪の降るシーンは美しかった。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • ロマンチック
  • 切ない
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