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不屈の男 アンブロークン (2014)

UNBROKEN

監督
アンジェリーナ・ジョリー
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3.31 / 評価:665件

解説

アンジェリーナ・ジョリーが『最愛の大地』に続いてメガホンを取り、第2次世界大戦で日本軍の捕虜となったオリンピックアスリートの半生を感動的に描いた戦争ドラマ。陸上競技の選手から空軍パイロットとなった主人公が、日本軍の捕虜収容所で虐待を耐え、生き抜く姿を活写する。『名もなき塀の中の王』などのジャック・オコンネルや日本人ミュージシャンのMIYAVIらが出演。脚本には、ジョエル&イーサン・コーエンらが参加。オリンピックの栄光から一転、戦時のただならない状況で懸命に生きた男のドラマに胸が熱くなる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

1936年のベルリン・オリンピックに出場したルイ・ザンペリーニ(ジャック・オコンネル)は、第2次世界大戦に空軍パイロットとして戦地へ向かう。しかし、爆撃機が海に不時着し47日間漂流したのち、日本軍の捕虜となる。捕虜収容所では、ザンペリーニはワタナベ伍長(MIYAVI)の非人道的な虐待を受け……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(c)2014 UNIVERSAL STUDIOS
(c)2014 UNIVERSAL STUDIOS

「不屈の男 アンブロークン」日本軍に捕らえられた青年の「人生地獄めぐり」をクールな目線で描写する

 ここ5年間で主演作品が「マレフィセント」(14)一本と、女優業がスローダウンぎみなアンジェリーナ・ジョリー。そうした要因の一つにあたるかもしれないのが、監督業との掛け持ちだろう。彼女の監督二本目となるこの映画は、決死の漂流サバイバルに巻き込まれ、あげく日本軍に捕らえられた青年の「人生地獄めぐり」を、クールな目線でもって描写する。役者仕事の片手間にと考えていては、やすやすと手がけられない題材だ。

 クールな目線、と感じるのは、ジョエル&イーサン・コーエンらによる脚本がもたらす印象なのかもしれない。第二次世界大戦中に捕虜となった元オリンピック長距離選手、ルイ・ザンペリーニの回顧録を原作としながらも、「戦場にかける橋」(57)に代表される「捕虜収容所もの」の韻を踏むようにまとめた本作は極めて映画的で、人の不幸を神の視座から眺めるような達観さは「ファーゴ」(96)あたりを思わせてしまう。執拗なまでにルイ(ジャック・オコンネル)たちの生死をおびやかす漂流のくだりや、正当な理由もないまま、看守と捕虜が憎しみをエスカレートさせてゆく様子など、悲壮でありながらもどこかシニカルさを覚える。しかも撮影が、コーエン兄弟のお抱えシネマトグラファーともいえる名匠ロジャー・ディーキンスときた。工芸品のように研ぎ澄まされた外観も内容も、まるでコーエン兄弟の監督作に触れているかのようだ。

 とはいえ、本作を映画化へと向かわす強い意志がなければ、作品は生まれない。この題材に惚れこんだというジョリー監督にとって、前作「最愛の大地」(11)が戦火の中で虐げられる者に心を向けた作品だったように、今回も戦争捕虜が主人公という点で姿勢や作家性は一貫している。まごうかたなきアンジーの映画だ。

 日本軍の捕虜に対する虐待描写がある、という話題が先行し「反日だ」などとネットで叩かれていた本作。だが当該とおぼしき描写は特定の民族を悪しざまにミスリードするものではなく、理不尽な暴力がまかりとおる戦争の本質に触れた、ストーリー上での展開に準じたものだ。作品に直接あたることなく、仄聞だけで批判の拳をあげるのは、劇中で捕虜を殴打する看守、渡辺(MIYAVI)の行為のように理不尽だ。(尾崎一男)

映画.com(外部リンク)

2016年2月4日 更新

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