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ザ・ブリザード
2016年2月27日公開

ザ・ブリザード

THE FINEST HOURS

1182016年2月27日公開

一人旅

4.0

闇に浮かぶ光が結び付けるのは…

クレイグ・ギレスピー監督作。 悪天候により海上で遭難した大型タンカーの乗組員たちの救出劇を描いた実話を基にしたサバイバル映画。 1952年に発生したT2タンカー・SSペンドルトン号遭難事故を題材にした、アメリカの作家:マイケル・J・トーギアスによる2009年発表のノンフィクション「The Finest Hours: The True Story Behind the US Coast Guard’s Most Daring Rescue」の映画化で、主演のクリス・パインが勇敢な沿岸警備隊員を力演している他、ベン・アフレックの弟でもある演技派:ケイシー・アフレックがタンカーの乗組員のリーダーを演じています。 大西洋上で猛吹雪に襲われ船体が真っ二つに切断し、沈没寸前となったタンカーに取り残された約30名の乗組員と、彼らを救出すべく小型救助艇で海に出た沿岸警備隊員の雄姿を交互に描き出した“海洋パニックサバイバル”で、浅瀬に意図的に座礁させることで船体を無理矢理固定させるという危険な賭けに出た乗組員たちの命運と、たった4人で無謀な救出活動に打って出た若き沿岸警備隊員による決死のタンカー捜索劇が、荒れ狂う漆黒の海の映像と共に映し出されていきます。 『パーフェクト・ストーム』を想起させる、垂直に立つ壁のように行く手を阻む巨大な波の映像が圧巻のスリルと恐怖を観客に体感させてくれる“アトラクション・ムービー”としてもなかなか出来のいい作品で、一向に止む気配のない猛吹雪の映像も“海に落ちたら即ゲームオーバー(凍死)”という一級の凍てつく寒さを演出しています。 人命救出に失敗した主人公の過去のトラウマとその克服、主人公の還りを一人待ち続ける婚約者の不安等、海洋サバイバル以外にも主人公と彼を取り巻く人々の人間ドラマでも魅せてくれる抜かりのない佳作で、『ラースと、その彼女』や『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』を撮ったギレスピー監督にしては良くも悪くも王道的で手堅い演出が貫徹されています。 

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