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ザ・ブリザード (2016)

THE FINEST HOURS

監督
クレイグ・ギレスピー
  • みたいムービー 281
  • みたログ 1,266

3.20 / 評価:953件

解説

アメリカ沿岸警備隊史上最も困難とされた海難事故、SSペンドルトン号の救出劇を映画化。冬の寒さが厳しい北大西洋上で悪天候により遭難した巨大タンカーに残された生存者32人の救助に、4人の沿岸警備隊が定員12人の小型木製救助艇で挑む。監督は、『ラースと、その彼女』などのクレイグ・ギレスピー。主演を『スター・トレック』シリーズなどのクリス・パインが務めるほか、『トロイ』などのエリック・バナ、『ジェシー・ジェームズの暗殺』などのケイシー・アフレックらが共演。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

真冬の大西洋でブリザードに襲われた巨大タンカーが大破し、船内に32人の乗組員が取り残されてしまう。生存者の救出にバーニー(クリス・パイン)率いる4人の沿岸警備隊員が向かうが、彼らが乗り込んでいるのは定員12人の木製小型救助艇であった。一刻を争う状況で、一行は決死の救助活動に挑む。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
(C)Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

「ザ・ブリザード」実力派キャストが大吹雪の中で勇気を振り絞る、迫真の海洋アクション

 よくあるディザスター・ムービーとはちょっと違う。セピア色の写真から浮かび上がったような古き良き時代のノスタルジーを随所に配し、登場人物それぞれが己の限界を超えていく姿を切々と描き出す。その実直ぶりが良い。何よりもクリス・パイン、ケイシー・アフレック、ベン・フォスターという実力派揃いのキャスティングを目にするだけで、作り手の強いこだわりが伝わってくる。

 時は50年代、大西洋を航海中の巨大タンカーが大吹雪に見舞われ、その威力によって船体は修理したばかりの継ぎ目から真っ二つに分断。取り残された船員たちが知恵と勇気を振り絞って生き延びようとする中、地上からは若き沿岸警備隊4人が決死の覚悟で救助へ向かうが……。

 従来、見渡す限り同じ光景が広がる海洋モノというジャンルでは、どうしてもアクションやビジュアルが単調になりがち。だが、「ラースと、その彼女」(07)などのユニークな人間描写で知られるクレイグ・ギレスピー監督は、地上、救助艇、タンカー内のドラマを巧みにオーバーラップさせながらそのジレンマを克服。救出へ向けたボルテージを見事なまでに引き上げていく。

 とりわけ、今にも仲間割れが起こりそうなタンカー内では、一等機関士を演じるケイシー・アフレックが根気強い説得でクルーをしっかりとまとめ上げ、奇想天外なサバイバル作戦に全ての望みを託そうとする。それに、地上でも警備隊員のクリス・パインが、過去の任務で救えなかった命を悔いながら「もう誰も死なせない!」と20メートル級のうねりを見せる荒波へ漕ぎ出していく。そうやって伸びる双方の執念のベクトルが奇跡的に交わる海上の一点においてのみ、彼らが初めて顔を合わせるという語り口も気が利いている。

 これがノンフィクションという点も説得力を強める一因となろう。現在地もわからず、交信もできず、一寸先の視界さえはっきりとしない。そういった絶望的な状況を前に、勇気と機転とチームワークによって絶対難度の荒ワザを繰り出す彼ら。無謀だ!危険過ぎる!とツッコミを入れたくもなるが、しかし規則や慣習を退路の言い訳にはせず、自らの状況判断で可能性を切り開く姿はグッとくる。希望とはこうして掴み取るべきもの。観客にそう強く伝える芯の通った快作である。(牛津厚信)

映画.com(外部リンク)

2016年2月18日 更新

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