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マジカル・ガール (2014)

MAGICAL GIRL

監督
カルロス・ベルムト
  • みたいムービー 213
  • みたログ 710

3.55 / 評価:520件

疑問がいっぱい

  • oio***** さん
  • 2016年3月19日 18時45分
  • 閲覧数 9706
  • 役立ち度 28
    • 総合評価
    • ★★★★★

予想外のストーリー。魔法少女をテーマに据えた心温まる物語を想像していたので…。想定外の展開に茫然とするのは『まどかマギカ』的と言えるかも。何が起こるのか分からない展開に引き込まれた。

登場人物の背景や重要な場面を省略しているので色々と深読みさせられる。思い返すと冒頭の教室シーンでダミアンは結婚指輪をしていたな、とか。その教室での出来事を「人生でパニックになったのは12歳の少女に見つめられたときだけだ!」と激白していたけど、その状況はダミアンとアリシアが対峙するシーンに重なる。彼は引き金を引くけどアリシアを撃ち殺したのだろうか。それと赤ちゃん嫌いで「挿入なし」にこだわるバルバラはもしかして処女?と思ったり。バルバラとルイスは本当に関係を持ったのかな?とか。証拠の音声は再生されなかったけど、あの身体を見たら男は勃たないと思うけどなぁ…。ダミアンは強姦ではなく和姦と知った瞬間、「バルバラは夫を裏切ったのか!」と激高してルイスを射殺する。ダミアンは娼婦のようなバルバラを聖女のように扱っていた。不思議な関係。そのバルバラがSM倶楽部の元締め宅を訪れたときに客人たちが静まりかえるのも気になった。過去に何をやっていたのか。観賞後にパンフを読むと「アリシアはかわいそうな少女だけど狡猾さとあざとさを感じる」というコメントがあった。ドレスをリビングに放置、自室で号泣、ルイスが泣き声を聞くシーンは、「一文無しのパパにえげつないプレッシャーをかけますな!」と思っていたので妙に納得したが、ルイスは聞きそびれてしまう「パパがいるだけで幸せ」というラジオへの投稿ハガキや、スープの中のプレゼントカードを見つけて言いそびれてしまう「パパに言いたいことがある」の続きを妄想すると、涙の理由は深いものを感じる。バーのママも「ドレスやお金は関係ない。望んでいるのはパパと一緒にいることだよ」と助言してましたねぇ…。しかし、一方で「願いごとノート」の鍵はルイスが見れるように開けたままだったりするのだが…。自分のわがままがどれだけ通用するか試すシーンもあったし。と、深読みするときりがない。

ダミアンは出所するときに「あなたは善人よ」とジグソーパズルをプレゼントされる。パズルを完成させようとする姿は自分は善人だと証明しているように見えた。元数学教師である彼の「2+2=4。真実には答えがる」という言葉を思い出す。しかし、どうしても最後の1ピースが見つからず、ダミアンはパズルを破壊してルイスの始末を決意する。が、物語の冒頭、ルイスは古書店からの帰り道でパズルのピースを拾い捨てている。因果応報。とは言わないが、このシーンに限らず逃れられない宿命を感じる作品だった。ボタンの掛け違いというか…。元国語教師ルイスも大切な本を売ることで自分を見失っていく。

アリシアの希望は父ルイスからバルバラを経てダミアンに行き着くと絶望に変わっている。希望を叶えたアリシアと絶望の淵にいるダミアンが対峙するシーンは見ているのがつらかった。唐突に鳴り響く『春はSA-RA SA-RA』をどんな気持ちで聴けばいいのか。魔法少女姿のアリシアと白シャツに返り血を浴びたダミアンの姿に目はチカチカ、『春はSA-RA SA-RA』で頭クラクラ、厭な緊張感が続く素晴らしいシーンでした。冒頭と最後の「ないから」と言って手を広げると証拠の品がないのは謎だった。悲劇の元は他愛のないこと、もしくは嘘だった、ということかな? 

暴力シーンは先日見たタランティーノの『ヘイトフル・エイト』より怖かった。それとパンフもいい。捉え方が人それぞれで面白い。町山智宏さんがトークショーで語った解説を文字起こししたものがネットにあったけど、これも面白かった。「いっぱい疑問が出てくるのがいい映画」に納得。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 絶望的
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