原作ファンとして
- hag***** さん
- 2017年5月31日 0時38分
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- 総合評価
原作のファンとしては、まずこの作品が劇場作品として映像化されたことに感謝したいです。
この映画はテレビアニメとして放送されたシドニアの騎士で知名度がグンと上がった弐瓶勉先生のサイバーパンクSF漫画、BLAME!がの原作となっています。
この劇場版の内容としては原作の2から4巻の前半あたりまでの物語をオリジナル要素含めて一般向けに再編しているといった感じです。
まず原作自体が用語や世界設定についてほとんど説明のない漫画であったことから、原作を読まずにこの劇場版を見ても内容が分からないのではないかと思いましたが、その点については新規の方に対しての配慮が見られて何も知識を入れずとも”多少”はどういった世界観か飲み込んでいけるのではないかなと思いました。
”多少”とルビを振ったのは、この作品は原作でも謎を謎のままにして話しが進んでいき、その部分を受け手で想像することができる面白さがあるため、その良さを壊さないためにも多少の謎は敢えて残して作ってくれているなと思いました。
ま、ブラムのような世界観で何から何まで説明したらそれだけで大きく尺を使ってしまいますしね(笑)
ただ、1から10まで説明してくれないとつまらない!という方には不満点かもしれません。
物語については、新規で見てくれる方のことも考えられた作りにはなっていたと思いますが、ちょっと劇場映像作品としてテンポが悪いというか盛り上げ方が雑なようにも感じました。
重力子放射線射出装置は派手だし、戦闘シーン自体もかっこいいんですが、なんとなくその戦闘シーンへの持って行き方というか流れが雑なせいかイマイチ盛り上がりにかけたようにも感じました。
あと主人公は霧亥というキャラクターなのですが、設定上、無口なキャラクターで持つ武器が強力ということもありメインとしては、づるなどの電基漁師が登場するシーンが多いため、その点でもっとうまく霧亥を魅せれていれればなーと思いました。他作品で例えるなら霧亥はワンパ〇マンのような扱いです(笑) 素材がいいだけにここはちょっと勿体無かったかな。
と、いい作品なのに不満点ばかり書いてしまったのでここからは良い点を。
この劇場版ブラムは全編3DCGで制作がされていますが、意外とこれが敵キャラクターである駆除系セーフガードの動きの気持ち悪さを増長させていて、見る前はどうかなと思っていましたが、いい意味で気持ち悪くて良かったです。
敵キャラとして登場するサナカンというキャラクターが原作からかなりデフォルメされており、かなり可愛くなっていたのは笑ってしまいましたw
今作のヒロインキャラはサナカンかもしれませんね~~
あと個人的にですが、花澤香菜さん演じるシボが僕のイメージとぴったり合っていてそこもお気に入りです。
そして何より重力子放射線射出装置!これが発射される瞬間のカタルシスはすごいです!エフェクトもかっこいいし、撃った時の反動の凄さも霧亥の腕の動きでうまく再現されているし本当に興奮しました。
これを劇場の大画面で見れたというだけで観た価値がありました。
まとめ。
シドニアの騎士放送以前にもBLAME!はプロダクションI.G.によってプロローグオブブラムというタイトルで映像化された後、劇場公開予定でしたが結局計画がポシャってしまったようでその後、映像化の話もなくなっていたため、「メジャー作品でもないし、あの世界観の映像化はやはり厳しいか。」と半ば映像化については諦めていましたが今回このように劇場公開されたことは本当に感動です。
日本が誇るサイバーパンクSF作品の至宝であるBLAME!、気になったらぜひ観てほしいです。
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