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人魚に会える日。 (2015)

監督
仲村颯悟
  • みたいムービー 5
  • みたログ 19

3.70 / 評価:20件

監督が伝えたかった沖縄のこと

  • dir***** さん
  • 2017年11月12日 7時37分
  • 閲覧数 193
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

地方のミニシアターで、監督とトークイベント付きの上映会が開かれ、
馳せ参じました。監督の仲村颯悟さんは弱冠21歳であり、見た目も
今風のイケメン大学生なのですが、トークイベントでは深い見識を
深い滋味を持った言葉でおっしゃっていて感服しました。

さてこの映画なのですが、監督の仲村颯悟さんが関東の大学にいる頃に、
沖縄の米軍基地問題をテーマにした映画を作りたいと一念発起し、
沖縄で撮影、制作された映画であるとのこと。
また、この映画は監督が関東の沖縄出身の大学生を中心に制作を呼びかけ、
大学生が中心となって夏休みの2週間で撮影などを終わらせてきたそうです。
そのため監督以外は映画に関心もあまりなく、機材の使い方も
あまり知らないような学生が制作に携わっており、経験がない
学生にとってはゼロからのスタートであるとのことでした。

そんな裏話を上映後のトークイベントで聞いたのですが、
映画そのもののクオリティはそんな背景が隠されてるとは
わからないぐらいのレベルの高さでした。
映像は、ドキュメンタリー風の安っぽいものではなく、
視点切り替えや固定カメラを効果的に使った本格的なものであり、
沖縄の地を駆け巡った映像は、低予算とは感じさせないスケールでした。
また、編集の仕方や音楽の挿入も効果的にされており、
技術の高さを感じました。映画の中盤からドキドキハラハラする
シーンが出てくるのですが、映像の撮り方や音楽がとても効果的で、
それがまた一段と映画のクオリティを上げていました。

さて、監督はこの映画を通して「アメリカの基地問題について
考えを持つきっかけになってくれたらいい」とトークイベントで
おっしゃってたので、テーマの主眼はそこにあるのでしょう。
しかし、映画を見ただけではそんな政治的な思想は押し出されてなく、
基地問題そのものは映画について一つのギミックであるように思われます。
映画として楽しむならば、ジュゴンやいたずらや生贄についてのやりとりの
方がずっとわかりやすくて惹きつけられた箇所でした。
しかし、まるで芸能人のゴシップ話をするかのように
当たり前のように基地問題のことが話される日常があり、
これが監督の伝えたかったことにように思います。私のように
関東に住んでる者からしたら、米軍基地問題は対岸の火事であり、
沖縄と聞いてもイメージでは浮かんできません。
しかし、沖縄に住んでる人達からすれば、それは芸能人のゴシップ話のように
生活に根ざしている問題なのです。そんな日常をこの映画は
切り取って映し出していたかのように思います。

映画として高いクオリティを持ちながら、見終わったあとも後引く
消化不良感が、アメリカの基地問題やこの映画について、
ずるずると考えさせるパワーを持っているように感じました。
沖縄の空気感を味わい、沖縄の問題を身近に感じるようになった、
素晴らしい映画でした。

詳細評価

物語
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演出
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音楽

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