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リップヴァンウィンクルの花嫁 (2016)

監督
岩井俊二
  • みたいムービー 616
  • みたログ 3,585

3.83 / 評価:2953件

猫かぶりの先にあるもの

  • kaf***** さん
  • 2020年3月26日 0時54分
  • 閲覧数 3460
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

岩井俊二監督らしい美しい光に溢れる映像と言葉にならないような絶妙な役者さんの演技も素晴らしいものでした。
説明過多で解りやすい最近の映画やドラマに抗って作られている事はとても映像的ですが、もう少し短くても良かったかもしれません。
時間が長くなる事によって前半と後半が別の映画になってしまった感がありますし、物語が少しとっ散らかっている印象を受けました。
タイトルからすると後半部分が本当にやりたかった事でしょうし、前半で主人公がネットで知り合った男との結婚とか友達がキャバクラで働いているとか先生になる夢とか生徒からの嫌がらせとかが描かれていますが、後半の同性愛的なラブストーリーにはあまり絡んでくる事はないからです。
一つの映画で二つ楽しめると思えばそれはそれでも良いような気がしますが、物語として散漫な感じは否めません。
しかし物語だけが映画にとって大事な訳ではありませんし、岩井監督がウェルメイドな作品を目指しているとは思えません。
庵野秀明監督と交友が深まった頃から作風が少し変わってきてますが、「リリィシュシュのすべて」のような「心に痛い事が真実」という物語と「ひたすら美しく詩情あふれる」映像とのアンバランスな感じは無くなり、新しい岩井美学の頂点になっていると思います。
ラストの全裸のシーンは滑稽で面白おかしいモノでしたが、僕は感動しました。
あれはAVを生業にしてる方達へのラブレターであり、全ての肉体への愛ですから「若い女性だけが素晴らしい」なんて安っぽい価値感を否定しています。
だから母親役りりぃさんがあのシーンにいるのです。
綾野剛さんの怪演も光ります。
映画史上に残る傑作なシークエンスだと言えるでしょう。
お酒を飲んで皆でブッ壊れた後、猫をかぶっていて自分の本心を言えなかった主人公の黒木華さんと綾野剛さんが少しだけ違う自分になっている成長物語です。
最後にまた猫の仮面を被ってしまいますから、人間はそんなに変わらないのかもしれませんけど…。

詳細評価

物語
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