ここから本文です

64-ロクヨン-前編 (2016)

監督
瀬々敬久
  • みたいムービー 978
  • みたログ 6,651

3.55 / 評価:5154件

ぜひドラマ版を見ましょう

  • cyborg_she_loves_me さん
  • 2021年7月7日 15時21分
  • 閲覧数 464
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

この映画の前年(2015年)に同じ原作がNHKで5回モノでテレビドラマ化され、数々の賞を受賞するなど非常に高く評価されました。
 その直後に、しかも前後編2本立てという大掛かりな作りで映画化して、もし「こんなのドラマの方がよかった」と言われたら切腹ものでしょう。たしかに皆さん全力で取り組んでいる気迫は伝わってきます。

 ただ私にはそれが、全部カラ回りしているように見えます。
 はっきり言って、ドラマ版のほうが数倍すぐれています。

 ピエール瀧さんがあんなことになったけど、まだドラマ版のDVDは入手可能なようです。色んな理由で逮捕される芸能人は跡を絶ちませんが、だからといってその人の出演作を全部見れなくするのはやめてほしいです。作品に罪はありません。
 数々のドラマや映画で重要な脇役としてたくさんの名演技を見せてくれたけど主演作はほとんどなかったピエール瀧さんの、数少ない主演ドラマです。彼の渾身の名演技が堪能できます。興味のある人は入手できるうちにぜひ入手しておかれることをお勧めします。
 NHKのドラマ版の方の話ですよ。
 これは本当に名作でした。

 それと比べると、この映画は何もかもが仰々しすぎる。
 佐藤浩一さんや滝藤賢一さんなどの演技も。
 記者クラブの連中の抗議行動も(これじゃ抗議じゃなくてただの脅迫・恐喝です、記者クラブじゃなくてただのヤクザ集団です。どなたかがレイプAVにそっくりと書かれてますが、私もそう思います)。

 この記者クラブの要求(交通事故の加害者が妊婦だったという理由で実名を隠すのは不当だ、実名を公開せよ、という要求)は、明らかに暴論です。どんな犯罪の加害者にも人権はあります。人が犯罪者なら、その人を実名つきでさらしものにし、社会的制裁を与えてもいい、と考える新聞記者は、明らかに間違っています。この映画で描かれている記者クラブは、はっきりいって暴力集団・リンチ集団です。

 ところがドラマ版は、記者クラブの描き方がちょっと違います(私は原作を読んでませんが多分ドラマ版の方が原作に忠実だと思います)。
 ドラマ版では記者クラブは、実名を報道するかしないかは記者の側の責任で判断して決めることであり、警察側が情報を秘匿するのは権力の濫用だ、ということをはっきりと記者の側が説明しています。
 これならわかるんです。筋が通っています。

 つまりこの映画は、身振りや表情や声などはやたらに派手な割に、ストーリーを成り立たせている論理は割といい加減にしか描いていないんです。
 後編のDVDには「映画史に残る慟哭の結末」とかなんとか、無闇に派手な宣伝文句が書かれてますが、こういうところに製作者の考え方がはっきりと見えますね。

 派手さで目を奪え。
 中身はいい加減でも構わない。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 未登録
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ