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マネー・ショート 華麗なる大逆転 (2015)

THE BIG SHORT

監督
アダム・マッケイ
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  • みたログ 3,698

3.29 / 評価:2758件

裏金融学講座みたいで勉強になったなあ

  • koi***** さん
  • 2016年3月7日 14時56分
  • 閲覧数 1180
  • 役立ち度 8
    • 総合評価
    • ★★★★★

映画「マネー・ボール」の原作者マイケル・ルイスのベストセラー「世紀の空売り・世界経済の破綻に賭けた男たち」の映画化で、リーマンショックの裏側でいち早く経済破綻を予測してウォール街を出し抜いた男たちを描いています。
4人のアウトローにクリスチャン・ベイル、スティーヴ・カレル、ライアン・ゴスリング、ブラッド・ピットが個性的な演技を見せ、監督はアダム・マッケイです。
オスカー5部門にエントリーされ脚色賞を受賞しています。

2005年金融トレーダーのマイケルは不動産抵当証券の事例を調べているうちに、不動産バブルの中で殆ど無審査で貸し出されたサブプライム・ローンは数年のうちに返済不能のデフォルトが急増し、それが組み込まれた金融商品が暴落し、投資銀行が破綻し経済危機に陥る可能性に気が付きます。
しかしその予測は相手にされず、ウォール街はバブルに浮かれたままです。
マイケルは「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」というローンの価値が暴落した時に巨額の保険金を受け取れる契約を投資銀行と結びその時を待ちます。
他の3人もマイケルの動きを察知してCDSに大金を投資します。
2008年ついに住宅ローンの破綻に端を発する経済の崩壊が訪れます…。

見ていて体中に力が入りました。
途中、用語の解説が文字で多少入るものの、難しい専門用語だらけでドラマはどんどん進んで行きます。
「理解できるかどうかはあなた次第です!」と観客を突き放しているかのようですが、専門家同士の難しい金融取引の話の裏で、実は世間ではどんな事が起きていたのかを丁寧な描写でなぞってくれていますので私でもきちんと理解できました。
住宅バブルの実態、デリバティブを使って中身が分からなくしてある金融商品の実態、金儲けだけが優先されるウォール街、米キャピタリズムの裏側の負の側面をあぶり出し鋭く糾弾しています。

大逆転で巨額の金を手に入れた4人のアウトローたちも「果たして自分は勝利したのだろうか?」という自責の念が、おそらく被害者であるこの映画の観客の救いになっていました。

金融工学講座の勉強になったのと同時に、未だに戻り切っていないリーマンショックの大きさと、資本主義は変質してしまった事を肝に銘じました。
この変化の本質が理解できず、成長戦略が効果的に打てず金融政策に任せきりにしているどこかの国の首相と、自社のバランスシートだけを気にして合成の誤謬を繰り返すサラリーマン経営者ばかりの国の未来は危ないねえ。

この映画は作り手の熱意がこもった良い映画です。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不気味
  • 知的
  • かっこいい
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