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マネー・ショート 華麗なる大逆転 (2015)

THE BIG SHORT

監督
アダム・マッケイ
  • みたいムービー 782
  • みたログ 3,697

3.29 / 評価:2757件

ラストの絶望感

  • koukotsunohito さん
  • 2016年3月11日 3時24分
  • 閲覧数 2358
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

予告編を観て男たちが集まってウォール街に一発ぶちかますぜ!という『オーションズ11』みたいな映画を期待して観にいくと、ものの見事に裏切られる。

だいたい邦題の副題が詐欺だ。華麗なる大逆転なんか起こらない。皮肉で付けたのだろうか。

クリスチャン・ベイルは劇中でほとんど自分のオフィスから出ないし、ブラピやライアン・ゴズリングたちとも一切絡まない。そもそも彼は主人公ではないし(クリスチャン・ベイルは今年のアカデミー賞で“助演男優賞”にノミネートされた)。

ブラピもあまり出ません。

主役といえるのはスティーヴ・カレルが演じるマークで、彼と職場の仲間たちが返済の見込みがない人々への投げ売り状態の住宅ローンや、どんなゴミ屑が入ってるのかわからないインチキ福袋みたいな金融商品に適当にも程がある基準でAAAを付けていく格付け会社に呆然としたりする様子が描かれる。

映画の中で村上春樹の「1Q84」の中の文章が引用されているように、観客は世界経済が静かに、しかし着実に破綻していく恐怖を感じることになる。

そして、バブルが弾けて金融危機に陥っても人々からなけなしの金を巻き上げてそれを全部失わせてしまった詐欺師たちは誰も責任を取らないという、溜息の出るような現実。被害をこうむった多くの人々は住む家も失っているのに。

だからそのあたりの問題に興味をそそられれば見応えはあるでしょうが、たとえばこれは『ウルフ・オブ・ウォールストリート』みたいな主人公の破天荒ぶりを面白がる映画じゃないので、とにかく130分間ほとんどおっさんたちが喋ってるだけの絵ヅラがしんどくて上映中はずっと睡魔との闘いだった。

『ウルフ~』はことの顛末が騙した側から皮肉っぽく描かれていたが、この『マネー・ショート』にはああいうブラックなテイストはほとんどないので、ただただ最後は虚しくやるせない気持ちになるだけなのだ。おそらくマークがそうだったように。まぁ彼は大金を稼いだわけですが。

それにしてもこの世の中はなんと脆いのだろうか。それはジェンガのように簡単に崩れてしまう。

この映画は、そんな残酷で無情な世界を生き抜いていくための警告なのかもしれない。

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