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マネー・ショート 華麗なる大逆転 (2015)

THE BIG SHORT

監督
アダム・マッケイ
  • みたいムービー 787
  • みたログ 3,738

3.29 / 評価:2785件

誰も、何も、残ってないんだな・・

  • mcp******** さん
  • 2016年3月17日 7時27分
  • 閲覧数 2910
  • 役立ち度 21
    • 総合評価
    • ★★★★★

またセンテンス・ロングですみません・・。

「マネー・ショート(原題:The Big Short)」のキーワードはひとつ・・
空売り・です。

<空売りとは、株券を先に借りて株式市場にて売り付けて、株価が
 下がった、または上がったのちにその株券を買い戻して差益をもらう、
 もしくは支払う取引のこと。別名、信用新規売りとも呼ばれる信用取引の
 一種。>

大物スターが多数出演しているため、映画のあらすじを紹介するものは
ウォール街vsアウトローといった書き方になっていますが、映画を観て
みるとそんなものではなく、証券業界というギャンブル場に足を踏み入れ、
皆が賭けない札が勝ち札と見抜き、それに賭けた人々を描いています。
「空売り」もまたリスクを伴っているものですから。

<2005年、ニューヨーク。金融トレーダーのマイケルは、住宅ローンを
 含む金融商品が債務不履行に陥る危険性を銀行家や政府に訴えるが、
 全く相手にされない。そこで「クレジット・デフォルト・スワップ」
 という金融取引でウォール街を出し抜く計画を立てる。

 話を聴いた銀行の中でドイツ銀行だけはマイケルの理屈の可能性を感じ、
 このCDSの販売促進を図る。

 誰も見向きをしない中、ある投資会社のフリーランス的な部所4人が関心を
 持ち、その実証のために住宅需要が活発なフロリダに向かう。>

ここで、主要登場人物たちとは全く異なる人々が登場します。それは
チンコロオバちゃん、ストリッパー、不動産業を全く知らない不動産仲介業の
そこらのアンちゃんたち。そう、実需がないのに住宅を右から左に動かす
だけで数十%上がり、審査とはいえない審査で自己資金なしでそんな家を
どんどん購入できるという異常さを誰も理解できなくなっている「現実」を
視ることとなりました。

<予測していたよりはるかに異常な光景を目にして、「空売り」を決めた
 フリーランサーたち。

 さらに自己資金で投資を行う、たった2人のベンチャー企業がマイケルの
 作成した破綻予測のレポートを偶然手にする。この内容にかけてみる
 ことにした2人は信用取引で巨額な資金を投入するためにトレーダー資格を
 持つベンに仲間に入ってもらい、こちらも「空売り」に突き進んでいく。
             ・・・
 2007年になるとサブプライムの特徴であった利子の急激な上昇が始まり、
 ローンに対する債務不履行が急速に高まった。しかし、サブプライムを
 組み込んだ投信は値を下げず、その格付けも高止まりのまま。

 フリーランスのの一員マークは格付け会社スタンダード&プアーズに
 乗り込んだ。「データ」をもとに追求するマークに対し、S&Pの担当は
 「格付けの対象は私たちのお客様よ。S&Pが格付けを落とせばお客様は
  ライバルのムーディーズに行ってしまうわ」
 本来客観的な指針であるはずの格付け機関すら「異常事態」に組み込まれて
 いたのだ。

 投信の値は下がらず、「空売り」グループは保険の支払いで追い込まれて
 いく。
 この状況下でマイケルとアメリカ証券界第5位のベアー・スターンズの
 CEOとの討論会が設定され、
 「B・Sの株価が下がれば買い増しして利益を上げるだけだ」と強気のCEO。
 これに対してあらゆる経済指標が破綻を予測していることを示すマイケル。

 すると討論中にB・Sの株価は急激に下降し、一気に破綻を迎える。
 これを序章に株価は全面安となり、業界第4位のリーマン・ブラザーズも
 破綻した。

 巨額な利益を得たマイケル、CDS販売仲介のドイツ銀行、フリーランス
 たち、そしてベンチャーたち。

 しかし、それはアメリカ経済という、よりマクロな視点では圧倒的な
 経済力の終焉を意味してることは皆悟っていた。

 リーマン本社へ入り込むフリーランスの面々。

 「誰も、何も残っていないんだな・・」>

映画ではゴールドマン・サックスですらギリギリの決断で生き残ったこと、
フリーランサーたちが所属していた投信会社がサブプライムを組み込んだ
投信に公表以上に足を踏み入れており、彼らが得た利益はその損失の穴埋めの
一部にしかならなかったことも明かされます。

リーマンだけで負債不履行額は約65兆円。連鎖的に増大した債務不履行
総額はネット上でも公開されていませんが、数千兆円のオーダーで
(たぶん・・)ヨーロッパの何ヶ国かがモラトリアム宣言(債務不履行宣言)
直前まで追い込まれたのは記憶に新しいところだと思います。

今を生きる多くの人々が経験した出来事に、違う角度・立場で再見する
いい機会を与えてくれる映画です。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 知的
  • 切ない
  • コミカル
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