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君の名は。 (2016)

YOUR NAME.

監督
新海誠
  • みたいムービー 6,288
  • みたログ 6.7万

4.12 / 評価:59,540件

喪失と再生、そして「結び」

  • matsurika7 さん
  • 2016年9月29日 11時08分
  • 閲覧数 18391
  • 役立ち度 1116
    • 総合評価
    • ★★★★★

ハマってしまいました。ここ数週間、頭はこの映画のことばかり。私はもうとうに40過ぎてるおばさんだというのに。
私は若い時から一度のめりこめる映画に出逢うと、数回といわず何十回でも映画館で繰り返し鑑賞します。
多少金欠になっても、劇場で観るのと自宅でDVDを観るのとではまるで違うんです。
「君の名は。」は昨日で六回目の鑑賞。末娘と一緒に、友人と一緒に、後はおばさん一人で堂々と。
今までリピートした映画では、「あのおばさんまた来てる」と映画館の人に怪しまれてないかしらと心配だったのですが(自意識過剰。。)、この映画ではまるでそんな心配はいりません。
映画館はいつもあらゆる年齢層で大賑わい。その中にはきっと私のような鬼リピーターもたくさんおられるはずです(笑)。

もうすべてのシーンとセリフは頭に入っているのに、一葉が三葉(中は瀧)と四葉を連れてご神体のある山頂に登り、「結び」について語るシーンのあたりから、すでに自分の頬が濡れているのに気が付くんです。
圧倒的な映像と音楽が五感に迫ってくる。理屈ではないのです。背筋が痺れ、鳥肌が立ち、熱い涙が溢れてきます。
こういう感覚、以前もありました。子供のとき「となりのトトロ」の「風の通り道」が流れるシーンを観て。若いころジェーン・カンピオンの「ピアノ・レッスン」を観て。

この映画については皆さんすでに語りつくされておられますが、私の最も好きなシーンを。
中盤、糸守災害の生き残りである高山ラーメンの店主が、早朝瀧くんを車で山頂へ送ってあげます。
瀧くんに手作りのお弁当を渡し、「あんたの描いた糸守、ありゃあ良かった」と言い残して去ります。
深く頭を下げて店主を見送る瀧くん。この後瀧君は店主の作ったお弁当を食べながら(やはり大きなおむすび)、一葉おばあさんの言葉を思い起こします。
結び。水でも米でも酒でも、体に入ったものは魂に結びつく。捻じれて絡まって、ときには戻り、またつながって。それがむすび。それが時間・・。

この物語は、喪失と再生の物語だと私は思っています。
糸守に何千年前かに隕石が落下し、湖が生まれ集落ができた。繭五郎の大火で神社は消失したけれど、記録は消えても儀式の伝統のみ伝えられて今に残った。
三葉と瀧の記憶は消えても、大切な何かが消えてしまった、という寂しさの感情だけが残り、ずっと「誰か」「何か」を探している。そして・・。
寡黙なラーメン店主も、故郷と大切な人達を大勢な亡くし、深い喪失感を抱えて生きてきたに違いないです。
災害後ではなく、幸福な時代の糸守を描いた瀧と出会って、彼もまた、救われたのでいでしょうか。
「結び」によって救われたのは、瀧だけではなく、店主も同じだったのではないかと、想像しました。

同じ映画を観ても世代によって見どころは違うようで、一度一緒に行った小学生の末娘は、年齢が近いからか、四葉にばかり注目していました。
「四葉ってメンタル強い。夜に人前で踊りを踊らされて、口噛み酒作りをさせられて。売って東京行きの資金にしちゃえばとか。タフ過ぎ」
「お母さんもいないし、お姉ちゃんは時々乳もみする変な人になるし。何てヘビイなじんせいだ」
「でも高校生になったとき、可愛かった」と言ってました。
私は一度見ただけでは終盤に出てきたツインテールの女の子が四葉だと気が付かなかったのに、すごいな、娘。おっぱい揉んでる変なお姉ちゃんは、きっと四葉のお兄ちゃんになるんだよ。と言ったら、ちょっときょとんとしてました。

娘はもう一度観に行きたいと言っているので、大嫌いな運動会を乗り切ったご褒美に、また二人で観に行きます。
娘は二回目。私は七回目。

映画館で上映してくれてる限り、この映画が劇場で観られる限り、ほかの映画を観ようという気になりません。まだまだ観に行くと思います。今までの私のリピート記録を更新するでしょう(笑

人の心理として、激賞されていれば「それほどのものか」と下げたくなるし、逆に酷評されていれば肩を持ってあげたくなります。
だからぜひ、ご覧になるときは人様の評価はひとまず外に置いておいて、ご自分の目で確かめてみてください。
皆さんそれぞれ好みがおありだし、この映画も感想は様々でしょう。
でも私はこの映画に出逢えたことを、劇場で多くの観客と映画体験を共有できることを、とても感謝しています。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

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