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グランドフィナーレ (2015)

YOUTH

監督
パオロ・ソレンティーノ
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3.30 / 評価:457件

解説

アルプスの高級ホテルで休暇を楽しむ老境の元作曲家と仲のいい映画監督が、それぞれに問題を抱えたホテルの客たちと繰り広げる交流を描く人間ドラマ。『グレート・ビューティー/追憶のローマ』などのパオロ・ソレンティーノが監督を務め、深い人間洞察に富んだ物語を紡ぐ。イギリスの名優マイケル・ケインを主演に、ベテランのハーヴェイ・カイテルとジェーン・フォンダ、『ナイロビの蜂』などのレイチェル・ワイズ、『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』などのポール・ダノらがキャストに名を連ねる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

80歳になり現役を退いたイギリス人作曲家フレッド(マイケル・ケイン)は、親友の映画監督ミック(ハーヴェイ・カイテル)と共にアルプスの高級ホテルで休暇を満喫していた。ある日、エリザベス女王の使者という男が彼を訪ね、フレッドの代表作を女王のために演奏してほしいと依頼する。ある理由からそれを断ったフレッドだったが、ホテルの滞在客との交流を通し心境に変化が起き……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2015 INDIGO FILM, BARBARY FILMS, PATHE PRODUCTION, FRANCE 2 CINEMA, NUMBER 9 FILMS, C - FILMS,  FILM4
(C)2015 INDIGO FILM, BARBARY FILMS, PATHE PRODUCTION, FRANCE 2 CINEMA, NUMBER 9 FILMS, C - FILMS, FILM4

「グランドフィナーレ」音楽と映像がドラマチックなアンサンブルを奏でる、贅沢な映画体験

 主人公のフレッド(マイケル・ケイン)は、スイス・アルプスの高級リゾートホテルで余生を過ごす80歳の音楽家。彼を筆頭に、ホテルに集う人々には共通点がある。それは、栄光を極めた人間であることだ。フレッドの親友の映画監督ミック(ハーベイ・カイテル)しかり、ロボット映画で名声を築いたハリウッド・スターのジミー(ポール・ダノ)しかり。マラドーナそっくりのサッカー界のカリスマや、世界一の美女の称号を手に入れたミス・ユニバースも同じだ。

 彼らは過去の栄光によって世間に記憶されていると同時に、その栄光に苦しめられてもいる。創作意欲はあっても黄金時代のような傑作が作れないミック。イメチェンに苦心するジミー。そして、不朽の名曲「シンプル・ソング」の作曲者として栄光を極めたフレッドは、「シンプル・ソング」の再演を封印することで、絶頂期の自分と自分が愛したものを永遠に凍結する道を選ぶ。

 パオロ・ソレンティーノ監督が題材に選んだのは、そんな彼らの「山の降り方」だ。山も人生も、登るより降りるほうが難しい。その事実に直面している登場人物たちは、人生の頂上でつかんだ栄光の重荷にあえぎながら、黄昏時にもう一度輝きを放てるような下山の方法を模索する。その途上で力尽きる者もいれば、飛び降りてしまう者もいる。果たしてフレッドはどんな方法を見出すのか?

 舞台となったアルプスのホテルは、トーマス・マンが「魔の山」を書いた場所。劇中、このホテルを発ったフレッドは、マンの中編「ベニスに死す」の舞台ベネチアを訪れる。「魔の山」の映画化を熱望しながら「ベニスに死す」を映画化したのはルキノ・ビスコンティ監督だが、この映画はオペラ的な味わいにおいてもビスコンティとつながっているように感じられる。とりわけ、音楽と映像がドラマチックなアンサンブルを奏でるのは、終幕。一体化した音と映像がうねりとなり、フレッドの魂が解放に導かれていく過程を体感させる。贅沢な映画体験だ。(矢崎由紀子)

映画.com(外部リンク)

2016年4月7日 更新

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