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スター・トレック BEYOND (2016)

STAR TREK BEYOND

監督
ジャスティン・リン
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3.79 / 評価:3089件

解説

長年人気を誇るシリーズをJ・J・エイブラムスが再構築したシリーズの第3弾で、エンタープライズ号クルーによる宇宙の最果てでの戦いを活写したSFアクション。未知の領域を探索していたクルーが、彼らの存在意義を問う敵の登場により、新たな戦いに導かれる姿が描かれる。J・J・エイブラムスは製作に回り、『ワイルド・スピード』シリーズなどのジャスティン・リンがメガホンを取る。クリス・パイン、ザカリー・クイントや2016年に急逝したアントン・イェルチンらが前2作に引き続き出演している。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

カーク船長(クリス・パイン)率いるエンタープライズ号は、未踏の星に不時着した探査船を捜索していた。すると突然、謎の異星人・クラール(イドリス・エルバ)がエンタープライズ号を襲撃。カークたちは脱出するも、艦は墜落し、クルーは散り散りになってしまう。不時着した見知らぬ惑星で、カークは約100年前に消息を絶ったエディソンが乗艦していたフランクリン号を発見。そこには、あるものが残されていた。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2016 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
(C)2016 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

「スター・トレック BEYOND」クルーたちの個性が際立つチームプレイ。遊び心たっぷりのシリーズ第3作

 J・J・エイブラムスの「スター・トレック」は最良の形のリブートだったと思っている。「スタトレ」には半世紀を超える歴史があるが、間口を広く大勢に面白さを伝えようという試みは十分に成功していたし、第二作「「イントゥ・ダークネス」では同じ流れの中でカークとスポックという2人の主人公の関係をさらなる先へと推し進めていた。

 間口を広げるにはストーリーラインはわかりやすい方がいい。だから前2作はあくまでもカークの成長と、スポックとの奇妙な友情物語が主軸だった。エンタープライズ号のクルーは個性的な顔ぶれがそろっているはずなのに、いまいちチームとしての印象が弱かったのも致し方ない取捨選択の結果だったろう。

 が、今回の「BEYOND」は違う。映画の中盤からクルーはいくつかに分断され、互いに連絡が取れないまま最悪の窮地に放り込まれる。カークはチェコフ、スポックはマッコイ、ウフーラはスールーなどシャッフル的なカップリングが成立し、ああ、このキャラクターはこんな状況でこんなセリフを言い、こんな決断をするのかとそれぞれの個性が見えてくる。そして「この映画は信頼とチームプレイの物語なのだな」と気づかされるのだ。

 あれ? この感覚なにかに似ていないか。「ワイルド・スピード」だ。今回「ワイスピ」興隆の立役者であるジャスティン・リンが監督に就任したから短絡的に結び付けたのではない。「ワイスピ」はヴィン・ディーゼル&ポール・ウォーカーのW主演として始まり、大人の事情が絡んだ紆余曲折を経てあらゆる登場人物をファミリーとして扱うキャラ重視路線にたどり着いた。

 「BEYOND」もクルーそれぞれに見せ場を与え、魅力を際立たせながら「チーム=ファミリー」という概念を改めて探索する。仲間や絆といった定番のテーマを空疎化させないと製作チームは覚悟を決めたのではないか。そして、そんな第三作にジャスティン・リンと脚本のサイモン・ペッグという座組はピタリとハマった。チームの再定義というだけでなく、「スタトレ」の世界観にレトロな乗り物や音楽をぶち込んで大いに盛り上げる遊び心があふれているからで、シリーズとしても完全にドライブがかかった感がある。

 惜しまれるのは今回いままでになく活躍するチェコフを演じたアントン・イェルチンが急逝してしまったことだが、遺作となった本作が役の上でも仲間に囲まれていることがファンにとってせめてもの慰めになってくれることを願いたい。(村山章)

映画.com(外部リンク)

2016年10月20日 更新

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