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もしも建物が話せたら
2016年2月20日公開

もしも建物が話せたら

CATHEDRALS OF CULTURE

1552016年2月20日公開

chi********

4.0

建築家の思い、からの監督の意図

もし建物が何かを思う存在であるとしたら… じっと動けないからこそ彼らの聴覚、視覚、皮膚感覚は研ぎ澄まされ、 そこでの人間の営みを鮮明に記憶に焼き付けている。 但し最も強い思慕を抱く人物は、やはり彼らの産みの親である建築家。 その思いを背負いながら、ずっとじっとしているのだ。 彼らが自ら語る形式のドキュメンタリー。 人が集う「場」としての建築が考案された当時の状況や想いを織り交ぜ現在までの道を辿る。 それぞれに目的や夢、願いを込めて作られた建物たちが、 粛々とミッションをこなし、時の流れと共に年を取って行く様が描かれる。 ただそれだけなのに何故かジワリと心が動かされる。 それは長い時を超えて、建築家と撮影を決意した監督との間に立つ無機物であるはずの建築が、まるで血の通った人物のように間を取り持っている様が感じられるからだろう。各ストーリーの終盤には画面に映される建物から体温のようなぬくもりさえ伝わって来た。 実際長い間、人と共にあったものには魂が宿る、という言い伝えも各地にある。 ベルリンフィルのテント型が意味するところ…なるほど、と思った。 長尺だが見ごたえある佳作。

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