ご冥福を心からお祈りします。
- mem***** さん
- 2019年6月2日 12時17分
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観たい観たいと思いながら、そのうちに大杉漣が亡くなってしまった。
人生とは本当に儚くて、室生犀星が映画の中で叫ぶ言葉のひとつひとつが胸に沁みた。
どんな役にも扮することの出来る男優は意外と尠い。
そんな中でも大杉漣が扮した室生犀星は最高だった。
昔から老人を題材にした映画は数々あるが、堅くて暗い問題提議の老人問題でもなく、エロ路線に走る老人の性愛でもなく、初老の恋愛や年を取ることに対する哀しみを描いた映画はあまりない。
室生犀星の発した言葉がすべて大杉漣の本心なのではないかと思わせられた、ということは、それだけ彼が凄い俳優だったということだ。
惜しい俳優を亡くした。
ご冥福を心からお祈りします。
原作は読んでいないのでよくわからないのだが、大人のファンタジーとして充分楽しめた。
映像の方も古き良きノスタルジックな昭和の背景が妙に色気があって良かった。
堅苦しく古臭い丁寧な言葉遣いの演出もいいのだが、難を言えば、オジサマ、オバサマの連呼が妙に耳障りだった。
二階堂ふみはとても愛らしかった。
踊りも可愛らしく、ちょっと垢抜けない感じが妙に色っぽい。
叫ぶ声がまたいい。女優ってこういうのも大事なんだと気がついた。
高良健吾は出た途端に画面がビシッと引き締まる。
彼は地味な俳優だが、その存在感や演技力は今どきの並居る外見だけのイケメン俳優の比ではない。
真木よう子は不思議な雰囲気はいいのだが、幽霊としての演出の拙さには笑ってしまった。大昔のCGのような移動だけは急に造りものめいていて、映画の集中力を著しく妨げられた(笑)
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