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機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起 (2016)

監督
今西隆志
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  • みたログ 643

4.11 / 評価:497件

羊の煽動と、赤を纏う青の男

  • GODOFGOD さん
  • 2016年11月23日 1時22分
  • 閲覧数 600
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起  (2016:日本) 
総監督:安彦良和

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《前置き》
・本作は映画作品ではなく【ビデオグラム用作品】(オリジナル・ビデオ・アニメ)である。
・商品(映像ソフト)の販売促進目的のため、【一部の劇場で2週間イベント上映】された作品。
・[映倫]の許可は得ているが特別興行のため、チケット料金は安く設定されていた。
・ファン向けの商品(イベント上映)のため、『機動戦士ガンダム』未見の方への配慮はなされていない。
以上を踏まえつつ、本映像ソフトの評価基準を星4をMAXとして評価。

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《概要》
・アニメ『機動戦士ガンダム』の作画担当の安彦良和氏が後に描いた漫画『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』を原作としたOVA化の第3弾。
・本シリーズは、ガンダム本編では描かれなかった原作の一部をアニメ化する企画。
第【9】【10】【11】【12】巻のオリジナル・ストーリー〈過去編〉に相当する。

・第3部『~暁の蜂起』はシャア・セイラ編(後)【第10巻】途中(セクション9)から【第11巻】開戦編(前)までに相当する内容。


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《見所&感想》
・冒頭のナレーションで第1部から第2部までの粗筋が語られる。前作冒頭のナレーションの文言をそのまま流用し、それに2部を新たに追加した仕様となっている。
タイトルバックのシリアスな音響演出と本編冒頭のキシリアのキャスバル暗殺命令が相まって、シャアの入れ替わりが意外にもスムーズに展開された印象だ。エドワウ(キャスバル)とシャア(ロジェの息子)の物語上の溜めがないのに第3部冒頭にこの重要な場面を挿入して大丈夫なのか?と懸念していたが、“展開的”には悪くない出来だ。しかし、ロジェの息子のシャアがあまりにも幼稚なキャラクターでキャスバルと似ても似つかぬ性格と声なのが、入れ替わりの説得力には欠けるように思える。しかもキシリア配下の監視チームが多数いるのに、顔が似ている二人を怪しいと思わないのは不自然すぎる。
キシリア配下の者たちは、キャスバルの認識を服装だけで判断したのだろうか?
なぜ瞳の色や声を確認しようとしなかったのか?
この点においては原作より緻密さが要求されたはずなのだが、先の展開を急ぐことが優先事項になったのは残念だ。ロジェの息子のシャアは、もっとキャスバルに近い人物像でもよかったように思う。

・リノ・フェルナンデス
原作にはないアニメ版オリジナルのキャラだが、これは良かった。シャアの正体がキャスバルだと気づく人間だが、前述の不自然な点を考慮した措置ともいえる。入れ替わりのスリリングよりも、むしろ入れ替わった後の士官学校でのシャアの立ち回りが面白く、彼の性格描写や活躍場面が端的に表現できていたように思う。だからこそ、二人のシャアの差異は少なかった方が、もっとリアルなものに描けたはずだと思うのだが。

・ミノフスキー博士
ファーストガンダム世代なら誰もが知ってる“ミノフスキー粒子”。しかし具体的に説明しろと言われたら、電磁波や交信を遮断するくらいしかわからず具体的なことは公式とも非公式ともとれる資料本での情報だけだったが、ついに本物自身が全部説明するくだりが用意されていた。最高のファンサービスでもあり、一見さんが一番退屈する場面でもある。

・ガルマとシャア
第1部から第3部までを見比べてみて、本作が最も見易い作りとなっている。時の権力者が物事を動かし、謀略と集団心理による背景で“個”が振り回される物語だった前2作。その水先案内人がランバ・ラルだったわけだが、本作ではシャアが初めて真の主役に躍り出る。彼が常に物事の先を行き、彼主導で周囲が動かされていく。その動かされる駒の象徴がガルマ・ザビである。シャアに出会わなければ、ザビ家に生まれなければ悲劇に遭うこともなかったであろう不遇の子だが、弱々しい彼が少しずつ成長を見せる姿を見て、“将来の敵”を予感するシャアの冷たい表情がいい描写だ。

・士官学校生徒による連邦軍駐屯地への総攻撃
きっかけは、管制指示を無視した両軍の意地の張り合いによる農業コロニー破壊。その結果、独立運動の民衆と治安部隊が衝突している状況を利用しシャアが便乗したことに始まっている。ガルマをたきつけて生徒たち200人以上を実戦へと導いた。そして正体を知る邪魔者も始末する狡猾さ。モビルスーツという子供向けの比喩描写がない戦闘場面だけでも、ガンダム作品の存在意義を見せた意欲的な作品だと言える。

・主題歌の不必要な字幕
エンドロール終了後、アムロと父テム・レイがサイド7に到着するエクストラ場面で終わるが、問題はエンディング曲の右横字幕。毎回こういう映画からかけ離れた編集措置が目につくが、日本語曲に日本語字幕は要らんだろ。柴咲コウは滑舌が悪いと判断されたのだろうか?

詳細評価

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