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さざなみ (2015)

45 YEARS

監督
アンドリュー・ヘイ
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  • みたログ 675

3.47 / 評価:478件

若い少女よ。私の心から出て行ってくれ

  • tyaichiro さん
  • 2016年5月22日 20時14分
  • 閲覧数 4750
  • 役立ち度 9
    • 総合評価
    • ★★★★★

 驚いた。あまりのショックに劇場が明るくなってもしばらく席を立てなかった。
 人を愛すること、『恋愛』と『結婚』、果ては人間関係についての考察がある。その鋭すぎる問いかけに心を動かされ、頭がぐわんぐわんとした。

 『未来』から、ではなく、障害は『過去』から来る。45年も人生を共にした強固な人間関係も過去からの攻撃により崩壊してしまった。この映画に、結婚、恋愛と言っても結局は他人同士によるシステム、その危うさが見える。しかし、この映画はそれを否定しない。一緒に聞いた曲、いた時間、自然と知っている相手の好み、美しい思い出がある。それすらも壊す障害。

静かだけど、荒々しい。一旦、生じた『さざなみ』は荒れ狂う大波に。
いやいや、いやいや、結婚、怖い(まんじゅう怖い的な意味ではなく)
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この映画を見た帰り道、「ある愛の詩」という映画の
『Love is not to say sorry.』
というセリフを思い出した。
これは『愛は、後悔しないこと』だから、全力で恋愛を突き進め!ということではない。
『愛は、ごめん、と言わないこと』つまり、愛は後で「ごめん」と言わないよう、一瞬たりとも気を緩めてはならない張り詰めた人間関係である。ということを本で読んだ。

 45年も付き添った夫婦間での亀裂は突然、訪れる。安心していたパートナーからの思わぬ一撃。困惑し、悩み続ける妻。『一緒にいて落ち着ける関係』がいかに欺瞞か、思い知る。
この一撃によって、妻はもう一度『愛』を思い出したのかもしれない。

 全編にわたって、とても抑制された演技・演出に見とれ、妻の苦悩と強さに感情移入、そして最後の切れ味に心をズタズタにされる。
この映画が、こんなにも人間関係を疑うその反面、人間関係の美しい点を肯定する。夫婦が一緒に楽しかった思い出を語り合っているシーンに、思わず落涙してしまったのは、きっとここに人間関係の美点が凝縮されているからだと思う。

 結婚、恋愛、人間関係は辛く、上っ面だけの嘘かもしれないが、一緒にいた美しい記憶は否定することはできないだろう。
こんな映画を見たら途端に困ってしまう。人生における毎日毎日が残酷だが、楽しいものだと再認識させられる。兎にも角にも、結婚は怖くて綺麗。

詳細評価

物語
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