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ルーム (2015)

ROOM

監督
レニー・アブラハムソン
  • みたいムービー 4,225
  • みたログ 7,017

3.94 / 評価:4,279件

子役、ジェイコブくんに心がくぎづけ。

  • Shoko さん
  • 2016年2月18日 22時44分
  • 閲覧数 19181
  • 役立ち度 134
    • 総合評価
    • ★★★★★

若い女性が何年も地下室などに監禁され、レイプされ、そのレイプ犯の子供も生んでいた、という事件、時々聞きます。
なんて恐ろしくおぞましい。なんてひどい。
そんな事件のひとつをインスピレーションとしてかかれた小説の映画化。
と聞くと、犯罪ものの映画か、恐怖の映画か、センセーショナルな扱いの映画か、などと想像しますが、本作はそういうものではなかったのがまず驚きです。

ハリウッド大作などではない小品のようだけど、アカデミー賞にノミネートされていることから見に行った作品ですが、本当に鑑賞してよかった。
7年間監禁された女性役の女優さんの演技は秀逸で、主演女優賞を受賞してもおかしくないほどだと思いますが、なんといっても素晴らしかったのは、彼女の5歳の子供、ジャック役の男の子。
この映画が、ただの犯罪映画に終わらず、美しく繊細に詩的なまでに人々の心の動きを描き出しているのは、この男の子の視点で物語が進んでいくからです。

たった三メートル四方の裏庭の小屋、窓もなく高い天井に小さなスカイライトがあるだけの場所に、19歳の時から監禁され、2年後に妊娠してしまった女性の、かけがえのない子供。髪を長く伸ばしていて、女の子のように見えるほど美しい子供。この子のために母親はその小さなルーム(部屋)を彼の「世界」とし、徹底して彼を守る。心身の健康を保つためにエクセサイズをし、ビタミン剤をのみ、卵の殻で工作をし、歌をうたい、物語を読み、暖かく愛情にあふれる二人の世界をつくっていく。彼にとってテレビの世界はニセモノ、ルームにあるものだけが本物。それでも毎夜ルームを訪れる犯人の存在は見ている私たちを凍りつかせるし、彼女がとうとうジャックの協力をえて脱出計画を実行するとき、失敗する確率の高さに恐ろしい気持ちになります。

でも映画はそこで終わらない。二人にとっての本当のチャレンジはその後の社会復帰で、その過程は言葉よりも、ジャックの表情や行動で多く語られます。観客である私たちはジャックの無垢な強さと優しさに共鳴し、すっかりその世界に引き込まれる、、。これほど繊細で自然な演技は5歳では絶対無理!と思ったら、やっぱりジャック役のジェイコブ・トレンブリーくんの年齢は実際にはもう少し上でした。それにしても、できることなら主演男優賞をあげたいほどの、素晴らしい表現力。彼はこれからどんな俳優に成長していくことでしょう。

期待をはるかに上回る、上質で静謐な映画。
五つ星です。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 勇敢
  • 絶望的
  • 切ない
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