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二日間の出会い (1945)

THE CLOCK

監督
ヴィンセント・ミネリ
  • みたいムービー 3
  • みたログ 5

3.80 / 評価:5件

歌を封印したジュディの愛すべき佳作

  • rup***** さん
  • 2016年2月28日 1時01分
  • 閲覧数 194
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

製作アーサー・フリード、監督ヴィンセント・ミネリという、のちにMGMミュージカルの黄金コンビとして知られることになる2人の初期の作品で、ジュディ・ガーランドを主演にしているにもかかわらず、ジュディが一曲も歌わない異色作です。

「オズの魔法使」以後もミッキー・ルーニーとのコンビとして注目されることが多く、1人の演技者としてのジュディをじっくりと観ることのできる作品が少ないだけに、本作は名実ともに全盛期の『女優 ジュディ・ガーランド』を堪能できる貴重な作品といえます。

ストーリー自体は、2日間の休暇が出てニューヨークへやってきた陸軍の若い兵士が秘書として働いている1人の女性と知り合って互いに恋に落ちるという他愛のないもので、「踊る大紐育」のドラマ部分だけを取り出したような印象もありますが、90分という短い上映時間の中、2人の様々な心の動きが見事に描写されています。

ジュディの相手役となる兵士の役を演じているのがロバート・ウォーカーで、ここでは「大草原」「復讐の谷」「見知らぬ乗客」のような作品でクセのある役を演じる前の心優しい繊細な青年役を好演しています。ウォーカーは本作のような役柄が本流なのでしょうが、アンソニー・パーキンスと同様、ヒッチコック監督のおかげで、かなり好感度が下がるようなイメージがついてしまいましたよね(笑)。

休暇でニューヨークを訪れたジョー(ウォーカー)が摩天楼に圧倒され駅の階段下で一休みしていたところに、たまたま通りかかったアリス(ジュディ)がジョーの足につまずいて靴のヒールが取れてしまったことがきっかけとなって知り合うのですが、観光をしたりして行動を共にするうちに次第に惹かれあうようになっていき、ついには、夜の公園で互いの気持ちが高まる瞬間を迎えます。

ただこれはまだ前座で、朝方、駅のラッシュに巻き込まれて2人が同じ電車に乗れず、突然離ればなれになってしまう場面から急展開となっていきます。
お互いファーストネームしか知らずにいたため、大都会で2人とも途方にくれながら相手を探してあちらこちらをさまよう姿をとらえたシーンがとても印象的です。

予期せぬアクシデントに巻き込まれて突然引き裂かれることによって、相手が自分にとっていかにかけがえのない存在になっていたかを知り、再会を果たしたときには2人の心がしっかりと結びつく感動的な瞬間が訪れるという、ロッセリーニ監督の「イタリア旅行」のラストシーンを思い起こさせるようなドラマチックな展開に魅せられます。

運命の再会を果たすと、若い情熱がほとばしり、一気に結婚へと突き進む2人。ジョーの休暇の終わりが迫るなか、役所の面倒な手続きが立ちふさがるという時間との闘いが繰り広げられるので観ている側としても思わず力が入ります。
途中、かなりのご都合主義でクリアされるハードルもあり、ここら辺は勢いに任せてつくっている感じがしないでもありませんが・・・。

何とか式を挙げることにこぎつけたものの、掃除人たちが部屋の掃除を始めている中での知り合いが誰一人列席していない味気ない式を終えて、何の実感も湧かないと落ち込むアリス。ここでのジュディの感情表現が素晴らしく、惹きこまれるシーンになっていました。


ミネリ監督としては、「花嫁の父」「可愛い配当」の正・続編と並ぶような小品ですが、中だるみすることなく、一気に観てしまえるような充実した内容の作品になっています。

歌わないジュディが本作の売りではあるとはいえ、夜の公園で2人の気持ちが高まるシーンや途中で知り合った人の良い牛乳配達人(ジェームズ・グリースン)がラジオから流れてくる曲を口ずさむシーンなんかは、ジュディが歌い出すんじゃないかなと思わず期待せずにはいられませんでした。

詳細評価

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