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青空エール (2016)

監督
三木孝浩
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3.74 / 評価:2,347件

試練に直面し苦悩する者へ、エールよ、届け

  • 映画生活25年 さん
  • 2016年8月23日 4時16分
  • 閲覧数 2928
  • 役立ち度 27
    • 総合評価
    • ★★★★★

少女コミック原作の映画化の勢いが凄い。
本作上映前の予告編もそういった作品のオンパレード。
今までも定期的にその手の作品はあったが、今回の予告編で改めてその多さに驚き、また、これだけで甘い物をドカ食いして血糖値が上がったような気分になってしまった。

少女コミックと言えば胸キュンラブストーリーが主流だが、最近の流行りはドS王子のようで、最近も続けて2本公開された。
先に公開された方は酷いとしか言えない駄作だったが、後に公開された方はなかなかの秀作だった。
ともに実力ある女優がヒロインを演じたが、恋愛だけでなく、人間を描くことができる廣木隆一監督の手腕によるところが大きかった。

本作の監督・三木孝浩もそんな実力派の一人。
一時期は話題性優先作品に走りかけたが、最近は非常に素晴らしい作品を提供してくれる監督である。
本作もやはりその点は裏切らずで、ただの青春胸キュンラブ&スポーツ物語にあらず、である。
もちろんそれらの要素は十二分にある。
だがそれらが中心ではない。
本作は部活動に打ち込む若者の、試練と苦悩の物語である。
そしてタイトルが示す通り、応援することの素晴らしさを描いている。

故障に苦しむ大介を支えたのはヒロイン・つばさのエールだけではない。
夢破れた先輩から託されたグローブ、バッテリーを組むピッチャーの言葉が彼を支え、動かす。

実力不足に悩むつばさの背中を押すのも大介への想いだけではない。
かつて厳しい言葉で当たった同級生からは、成長を認める言葉をもらう。
またかつて自分が送った先輩へのエールが、今も相手を支えていることを知る。

誰かに送るエールがいかに届き、それがどれほど相手の支えとなるか。

その主題を貫き、真剣に描いたからこそ、予定調和できれいにまとめ過ぎた終盤も許せるのである。
みずみずしく爽やかな青春、切ない恋心、真剣に打ち込む姿勢、相手を認める真摯な心、そして試練に直面して苦悩する姿。
これらがバランス良く描かれているので、見応えに浸り、爽やかな感動に包まれることができた。

大介を演じた竹内涼真は初めて見たがなかなかの有望株である。
ちょっと山本太郎に似ている気もするが、爽やかな好青年タイプ。
イケメンでも王子様系ではないので、ダメ男役や悪役をやらせても面白そうで、幅広い役がこなせるような気がする。

ヒロイン・つばさを演じたのは土屋太鳳。
5年前、「日輪の遺産」のレビューで「大人びた雰囲気のある美人タイプの少女」と評したが、これほど可愛く美しく成長するとは。
昨年から今年にかけてからブレイクしたが、以前から存在感のある女優だった。
ただし最近の主演作品ではどういうわけか「裏声」。
「オレンジ」でも気になっていたが本作もその発声である。
中盤からはさほど気にならなかったが、序盤は気に障って仕方なかった。
役作りということもあろうが、普通の発声で十分魅力を発揮できるし、実力もある女優であることはわかっているだけに、地声で勝負してほしかった。

本作では彼女の他にも注目すべき若手女優多数。
小島藤子は8年前のデビュー当時から注目していたが、今一つブレイクせずで残念。
今回も女子高生役はちょっと無理があったか。

志田未来も世間の注目度はかつてほどではないが、こちらはキャリアを感じさせる演技を見せてくれた。

本作で特筆したいのは松井愛莉と平祐奈。
松井愛莉は演技はまだまだ向上の余地はあるが、その可愛さ美しさは圧倒的。
終盤で披露してくれるチア姿は衝撃的なほどにカワイイ。
思わず感嘆の声が漏れてしまった。

そして中盤から登場する野球部女子マネ役の平祐奈には大注目。
昨年深夜に放送された雪女ドラマでその可愛さに注目していたが、演技は今一つ、いやハッキリ言って下手だった。
それが本作では別人のように大成長。
大介への憧れと恋心は秘めるが、つばさへの対抗心は秘め切れない。
幼さも感じさせるが、これが年相応の感情なのだろう。
その感情から溢れる切ない焦燥が見事に伝わって来た。
この数ヶ月でこれほどの成長を見せてくれるとは驚きであり、今後の活躍が非常に楽しみになってきた。

少女コミック原作が乱発される昨今、確かに駄作もあるが、「ちはやふる」などの傑作も出現するわけで、最早少女コミックだからと侮れない。
本作もそんな秀作の一本であり、また若手演技陣の発掘という意味でも収穫の多い作品だった。

詳細評価

物語
配役
演出
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音楽

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