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インフェルノ (2016)

INFERNO

監督
ロン・ハワード
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3.23 / 評価:4151件

解説

人気作家ダン・ブラウンのベストセラー小説を映画化した『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズの第3弾。主演のトム・ハンクス、監督のロン・ハワードが続投し、これまで数々の歴史や名画の謎を解明してきた宗教象徴学者ロバート・ラングドン教授が、詩人ダンテの「神曲」の「地獄篇」に絡んだ世界を揺るがす陰謀に挑む。ラングドンと共に謎を追う医師を『博士と彼女のセオリー』などのフェリシティ・ジョーンズが演じるほか、『ジュラシック・ワールド』のオマール・シーとイルファン・カーンらが共演。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

記憶喪失状態でフィレンツェの病院で目覚めたロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)は何者かに命を狙われるも、医師のシエナ・ブルックス(フェリシティ・ジョーンズ)の手引きで事なきを得る。やがて二人は、人口増加を危惧する生化学者バートランド・ゾブリスト(ベン・フォスター)が人類の半数を滅ぼすウイルス拡散をたくらんでいることを知る。彼らは邪悪な陰謀を阻止すべく、ゾブリストがダンテの叙事詩「神曲」の「地獄篇」に隠した謎の解明に挑むが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

「インフェルノ」原作とは異なる展開で、映画としての価値を示すシリーズ第3弾!

 古典芸術に隠された暗号を読み解き、背後にうごめく巨大な陰謀に挑む「知のインディ・ジョーンズ」ことロバート・ラングドン。人気作家ダン・ブラウンが生んだこの現代的なヒーローが、トム・ハンクスという名優の身を借りて実像となり、映画に根づいて早10年。本作はその三弾目となる期待の一本だ。

 原作に敬意を払い、謎解きに重点を置いた「ダ・ヴィンチ・コード」(06)を受け、次作「天使と悪魔」(09)では一転してアクションを主体とし、緩急の調べなく物語をヒートアップさせていった同シリーズだが、今回はそんなスノッブな知性主義にも、またイッキ駆けなハリウッドアクションの様式にも片寄ることなく、芸術トリビアと身の緊まるような興奮を分量よく配合。原作とは舌触りを異にした、ロン・ハワード監督の「ラングドン教授もの」として完成を得ている。

 人類の半分を一掃する死のウィルスを解き放ち、人口過剰の問題を解決しようとする生化学者ゾブリスト(ベン・フォスター)。自らの死をもって終末のカウントダウンを始めたこの人物は、ダンテの叙事詩「神曲」に描かれた地獄篇(インフェルノ)にその手口を封入する。そんなバイオテロリストの策略を防ぐため、ラングドンに人類の未来が委ねられる。地獄篇を図像化したボッティチェッリの「地獄の見取り図」や、ダンテのデスマスクの裏に記された暗号を手がかりに、フィレンツェ、ヴェネツィア、イスタンブールと舞台は世界各地へと移行していく。

 デヴィッド・コープの脚本は長大にして情報量の多い原作を合理的に調理しているが、後半の展開を独自にアレンジし、映画はベストセラーとして既知されたストーリーの裏をかく。特にラングドンと行動を共にする医師シエナ(フェリシティ・ジョーンズ)の扱いは、原作を読んだ者もそうでない者も驚きをもって迎えるだろう。劇中ではダンテとベアトリーチェの悲恋をさらりと持ち出し、こうした独自展開への布石を敷いているところがなんとも憎い。

 またゾブリストのキャラクターも、死人が全てを意のままに操る「犬神家の一族」(76)や「機動警察パトレイバー the Movie」(89)あたりを彷彿とさせる「実体のない敵対者」としてジワジワとラングドンを追い込む。こうした不気味さを肥大化させているあたりは、小説よりも映画版のアドバンテージが高い。

 個人的に予習は奨励しない主義だが、本作に関しては原作にあたったうえで劇場へ足を運ぶと、味わいも大きく異なってくる。ぜひ試してほしい。(尾崎一男)

映画.com(外部リンク)

2016年10月27日 更新

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