ここから本文です

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 (2016)

FANTASTIC BEASTS AND WHERE TO FIND THEM

監督
デヴィッド・イェーツ
  • みたいムービー 1,572
  • みたログ 1.4万

3.83 / 評価:11,410件

観客だけは忘却術をかけられない

  • tyaichiro さん
  • 2016年11月24日 12時01分
  • 閲覧数 1655
  • 役立ち度 27
    • 総合評価
    • ★★★★★

 「魔法ファンタジー」と「学園モノ」とのハイブリッドとして大成功を収めた『ハリーポッター』シリーズの新始動。さて,どんな魅力的な魔法で映画が始まるんだ!?と思いきや,今作の物語は私たちがよく知る入国審査から始まる。
 驚くことに,今作の舞台は「ノーマジ(非魔法族)」の世界であり,今作の主人公は魔法の世界に偶然巻き込まれた非魔法族,つまり今作の主役は,私たちと同じように『ハリーポッター』シリーズという魅力的な魔法の映画世界に巻き込まれた非魔法使いであった。
 
 ついに今作をもって,この『ハリーポッター』シリーズは,魔法が使えない我々をその世界に招き入れてくれる。そんな夢のような映画,観客だけはこの夢の,魔法の世界の記憶を消されない非魔法族。もしかしたら,今作は,「現実世界」を「魔法の世界」にする映画かもしれない。
----------------------------
 騒動の発端は,NYに来た魔法生物学者のスキャマンダー(エディ・レットメイン)のトランクの鍵が壊れていたことである。このトランクは優れもので,ドラえもんの四次元ポケットなみにトランクの中が広い。スキャマンダーはこのトランクの中で,魔法生物の保護・育成を行っていた。
 このトランクの鍵が壊れて,中にいた魔法生物が飛び出す,文字通り「飛び出す」,画面の外に飛び出す,今作は最新VFXを駆使した「魔法生物ビックリ箱」でもあった。

 さて,舞台となる時代は1926年禁酒法時代のアメリカ。ここでは,お互いを干渉し合わないことで共存していた魔法族と非魔法族との均衡が壊れつつある。魔法の世界では,「魔法族至上主義」の闇の魔法使いグリンデルバルドが破壊活動を繰り返していた。
 この二族の対立,そして舞台がアメリカとなると,どうしても「白人」と「アフリカ系アメリカ人」の対立を想起してしまう。もちろん,角が立つほどコレが掘り下げられることはないが,このアメリカでは,魔法族が「マジョリティ」,非魔法族が「マイノリティ」ということになる。サバンナ出身(という設定)の肌が黒い魔女ピッカリーが,アメリカ合衆国魔法議会の議長であるというのも偶然ではないだろう。

 そんな今作は,上述の「魔法生物回収」「人間VS魔法使いの冷戦」がベースに,ノーマジの男性と,スキャマンダーとの凸凹コンビコメディ,またヒロインとのスクリューボールコメディが繰り広げられている。
 物語にノーマジの視点が加えられたことにより,一々の魔法に「ナンジャコレ!」とビックリする様子が,基本的にノーマジである観客の視点が重なる。よって生まれるコメディ,何より,エディ・レットメインの抜群のコメディセンスが今作で発揮された,以前の『ハリーポッター』シリーズのダークな印象とは全く異なるユーモアたっぷりの明るい一本であった。
 この明るさは,『ダークナイト』三部作から始まるダークなDCコミック映画の世界観に,明るくスカッとしたMARVELのヒーロー映画が相対したのと似ているように思う。やっぱり,魔法の世界は楽しくなきゃ。

 誰でも気軽に楽しめる「明るい」(ココ重要)な一本。長〜いエンドクレジットでは,この魔法の世界を作り上げている現代の魔法使い,数々のVFXクリエイターへの感謝をお忘れなく。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 笑える
  • 楽しい
  • スペクタクル
  • ゴージャス
  • かわいい
  • コミカル
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ