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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 (2016)

FANTASTIC BEASTS AND WHERE TO FIND THEM

監督
デヴィッド・イェーツ
  • みたいムービー 1,572
  • みたログ 1.4万

3.83 / 評価:11,537件

現代への警鐘 この世界の美しさ

  • f1_***** さん
  • 2018年12月30日 0時12分
  • 閲覧数 1042
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

動物たちがあまりに可愛くて、それだけでもう大満足。

本作は、世界の捉え方、感じ方について警鐘を鳴らす、今の時代に必要な映画だと思います。
ここ近年SNSでの繋がりが一層顕著になり、同じ価値観や出来事を世界中の不特定多数の人と共感・共有する事で、自分の居場所を掴もうとしている人々の姿があります。自分の信じたい人の意見に流される。フェイクニュース、誰かの意見への集団批判。1つの方向に集団心理で突進して、変わった人や異端を受け入れない。世界が広がったというのは錯覚で、世界は逆に一元化されて狭く縮まっているんじゃないかと息苦しい時さえあります。

この作品の世界でも、魔法動物はいけない、魔法は怖いから弾圧する、と何でも禁止する事で平和を保とうとしています。
けれど主人公は違う。自分の目で正しい事を見つけようとする探求者。魔法動物は危険だと決めつけず自分の心でその素晴らしさを感じとり、それを信じて自分の道を歩いている。それができる人だからこそ、彼の心そのものとも言えるあの鞄の中に、息を呑むような圧倒的な世界が広がっているのでしょう。

そして、今回の最大の鍵となる黒い靄の正体。本来人の生まれながらに持つはずの権利、あるがままのその人を受け入れられるべき権利をもったはずのその人は、他者から押し込められ認められませんでした、。
そうして暴走。
靄を生み出した責任は特定の個人に収まりません。本来多彩であるはずの世界が一元化され圧制された社会そのものです。彼も被害者。
何て哀しい物語なんでしょう。

その哀しみの根本に主人公は絡んでいないように見えて、自分自身も動物を愛した事で集団からはみ出して苦しみ続けてきた点で実は共鳴しているのがいいですね。痛みを知っているからこそ、手を差し伸べられる。
自分の人生に今まで絡んでいなかったはずの人が出会う、これが運命の出会いなのだろう。生い立ちに関係する人が力になってくれるなら一番良いのだろうけれど、必ずしもそうではない。寧ろそんな人が身近にいたなら、抜け出せない闇には絡め取られないはずですもんね。
苦しんだ人にとって主人公の存在なんて、予期しようがない、突然降って湧いたようなもの。人生何があるか分からない、世界には誰一人同じ人はおらず、かけがえのない唯ひとりの存在が共に生きる世界。ラスト雨の中で『代わりはいないの』と頬を包んだ所にもそのメッセージを感じました。

世界は自分で目を見開いて探求者として切り開けばこんなに素晴らしい世界がある事、そして考え方は多様であり、誰か近しい人と群れるのではなく今まで知らなかった人との出会いが、新しい扉を開け得るのだという希望を伝えてくれた、貴重な作品。

あそこまで魔法で何でもアリにしちゃうのは、最後の三部作のスターウォーズ同様、今一度製作側に立ち止まって考えて欲しいけれど。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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