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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 (2016)

FANTASTIC BEASTS AND WHERE TO FIND THEM

監督
デヴィッド・イェーツ
  • みたいムービー 1,575
  • みたログ 1.4万

3.83 / 評価:11,393件

もっと怒っていいよ、彼は

  • dr.hawk さん
  • 2016年11月28日 20時21分
  • 閲覧数 12371
  • 役立ち度 103
    • 総合評価
    • ★★★★★

2016.11.28 2D字幕 京都桂川


『ハリー・ポッター』シリーズの原作者J・K・ローリングが脚本に初参加したファンタジー映画
監督はデヴィッド・イェーツ


物語は主人公・魔法動物学者のニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)がニューヨークに到着するところから始まる
彼の荷物はトランクひとつ
検疫を魔法で潜り抜けた彼だったが、手違いでマグル(人間のこと)のジェイコヴ(ダン・フォグラー)のトランクと入れ違ってしまう
そして、そのトランクからいくつかの魔法動物が街に放たれてしまった

その頃、ニューヨークでは謎の事件が相次いでいて、その犯人捜索に追われていた
その事件を担当していたのがパーシバル(コリン・ファレル)で、彼は不可解な事件を人間界と魔法界を行き来しながら犯人を追っていた


この物語はニュートの不手際から事件が勃発するように思えるが、彼の魔法動物が逃げ出したことは本筋には関係ない


前半のシークエンスは魔法動物の捕獲劇
確かに奇妙で謎に満ちた力を持った動物たちだが、彼らが人間に危害を加えることはほとんどなく、彼を追うニュートやジェイコヴが色々と破壊している

そんな彼らに目をつけたのが魔法庁のティナ・ゴールドスタイン(キャサリン・ウォータストン)であり、彼女は越権行為承知で自由に動きまくり、勝手に危機に陥っていく

彼女には妹のクイニー・ゴールドスタイン(アリソン・スドル)がいて、彼女は相手の心が読めてしまう
その力が物語で効果的になるのは、ジェイコヴとの接近とニュートの過去の暴露である


この物語は4人の登場人物が主として動くが、物語の本筋にほとんど絡んでこないところが凄い

ニュートは魔法動物を追いかけるだけで、心は開かず、事件に関与しない
ラストシークエンスでも無力ゆえにある男を助けることもできない
彼の劇中の台詞を借りれば「イラッとする」キャラクターであった

ティナも自由奔放に動き回り、敵をどんどん作っていく
彼女が男を助けたシーンはほとんど本筋に関係なく、彼女の存在の意味がわからない

クイニーは一抹の興奮剤のようで画を彩るエッセンスのようなもの
こちらも本筋に対して傍観者に近く、何もできない

ジェイコヴはマグルなので魔法界の戦いに絡めるはずもない
記憶を消されずにすんだのか、ただ単に好みの女性だから再会したときに恋に落ちたのかもよくわからない
こちらもサイドストーリーにすぎず、巻き込まれた一般人に過ぎない


この映画が酷評される理由は大きくふたつある

まずは、物語のメインを走る事件に主人公がほとんど絡まないところ
彼は誰の味方なのかもわからないし、立ち位置がはっきりしないから、助けられても悲哀が感じられない
闇を生み出した彼の起因にも関係がないし、彼を救うために何かをするわけでもなく、ただ「過去に救ったことがある」という自称救世主の戯言など通用するはずもない
彼が魔法動物学者であり、その特性を活かして何かをしたということもなく、アリゾナに連れていくはずだった鳥をニューヨークに放ってマグルの記憶を消しただけで何の解決もしていない


もうひとつは「あっさりと魔法で再生&記憶消去」である
これはもう反則である
と言うよりも、「破壊による恐怖の意味」を捨ててしまうからである
「やりなおせる」ということは「選択」の意味を消す行為であり、それは物語ではタブーである
あれだけのニューヨークの破壊事件を「何もなかったこと」にしてしまう
魔法の存在を知られたくない「誰かのための法律」の仕業だとしても、「破壊→再生」の意味をはき違えている


眠くはならなかったのは映像のおかげだが、脚本が酷すぎて、どこを突っ込んだらいいのか悩む

ミステリーによくある「どんでん返し」を多用し、これでもかと言わんばかりに「実は○○でした」を繰り返す
わかりやすい伏線はすべてミスリードで、それを無視すれば犯人は一瞬でわかってしまうほど稚拙である

最後の「○○に変身」は笑ったが、金の無駄遣いというものだろう


魔女の血を引く子どもが人間から迫害を受け、それでも耐えて信頼してきた魔法界の人間に捨てられる
この無情が暴れまくるだけの話であり、彼の理由などすべて無視して多人数で寄ってたかって殺して、そして後始末は全部魔法で「ハイ!」
ついでに見てしまったマグル全員の記憶も「ポイ!」である


実に深みもない、荒んだシナリオであり、これをハッピーエンドっぽく終わらせる原案者&脚本家の精神が理解できません


映像だけは凄いけど、話は最低
そんな映画でした

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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