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マイケル・ムーアの世界侵略のススメ
2016年5月27日公開

マイケル・ムーアの世界侵略のススメ

WHERE TO INVADE NEXT

PG121192016年5月27日公開

bakeneko

5.0

ネタバレAnything You Can Do♪

常に“アメリカはこれで良いのか?”というテーマを、凝ったユーモア編集と突撃取材で見せてゆく―マイケル・ムーアの新作ドキュメンタリーで、ペンタゴンから“世界各国を侵略して、良い所をアメリカ持って帰るべし!”という架空の使命を受けたマイケルが、欧州各国でアメリカの常識を外れて成功している事象を紹介していく展開となっていて、 長大な有給休暇制度を持つイタリア 子供たちに食の文化の大切さを教えるフランス 学ぶ楽しさを教えるフィンランド 大学までの教育が只のスロベニア 仕事と休暇をきっちり分けているドイツ 受刑者の更正を第一に考えるノルウェー 女性の社会進出が目覚しいチュニジアとアイスランド の様子がアメリカの現状と比べて語られていきます。 そして、それぞれの革新的なシステムがアメリカ発祥だったり理念に合致することが、一際アメリカ社会の歪みを浮かび上がらせていて、“探していたものは故郷にあったんだ!もう一度原点に戻ってみよう”―と「オズの魔法使い」で締めくくる構成は、アメリカ的な“拝金&功利主義”に憑かれて、人生を疲弊させている日本人とその社会構造にも痛烈な批判となっています。 アメリカ的(=日本的)な価値観や社会システムの常識から離れた先進国の視点が、別の生き方を爽快に示して、知的探訪の愉しさが味わえる作品で、明快で知的でありながら小学生にも判る論理展開に“日本のマスコミにもこんな人が欲しいなあ”とつくづく思わせる作品であります。 ねたばれ? レビュータイトルは本映画のエンドタイトルに流れた曲:「アニーよ銃を取れ」からAnything You Can Do♪の紹介で、ベティ・ハットンと ハワード・キールの掛け合い歌唱が愉しい名曲です(「おかる勘平」では榎本健一と越路吹雪が日本語版を披露していました)。

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