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ダーク・プレイス
2016年6月24日公開

ダーク・プレイス

DARK PLACES

PG121132016年6月24日公開

raz********

3.0

ネタバレ貧すれば鈍する

母と妹たちが殺害されて兄が犯人として逮捕されてしまったけれど、 本当に兄の犯行だったのか、真相は如何に? という始まり方をする映画。 だから真犯人はいったい誰だったのかと期待してしまうのだが、この映画はその期待には応えてくれない。真犯人が明らかになってもあーそうですかと落胆してしまう。 というのも、この映画は謎解きに主軸を置いた作品ではなく、主人公の心の闇が晴れていく過程を描いた作品だからだ。主人公は事件の関係者と直接会って話をし、彼ら彼女らの心の闇に触れて、その心の闇が実は主人公の心の中にもあるってことを自覚し、兄を陥れた関係者たち(自分自身を含む)を許すというところまでを描いた作品になっている。結構分かりにくいけどw たとえば、兄にいたずらをされたと嘘を言った少女(クリッシー)の件だが、本人からその真相を聞いたとき主人公は激昂してもいいものだが、主人公自身も兄が犯人だと嘘を言ったわけだから、彼女を怒ることができなかったわけだ。 あるいは、映画の序盤、主人公が殺人クラブの面々からののしられる場面とかは、クリッシーの自宅で母がその場にいた人たちからののしられた場面と状況が似ている。 また、主人公は金に汚かったけれど兄の恋人や父も同様だったし、家族に保険金を残すために自身の命をささげた母と、娘のために罪をかぶった兄も似ている。そして、ろくでもない恋人を作っちゃうところも母と兄は似ていた。 この映画はこのように事件の関係者たちが持っている心の闇の類似性を描いた場面で敷き詰められており、誰かが特に悪かったというよりもボタンの掛け違いが原因だったかのように観客の心を誘導し、それによって自分自身の心の中に潜んでいる悪意や心の闇を霧散させることを目的としたストーリーになっていると考えられる。 ただし、どの登場人物にも感情移入ができなくてストーリーに入り込めず没入感がない。事件から28年も経つと記憶があいまい過ぎていまさら心の闇とかどうでもよくねって正直思ってしまう。時間を経過させたことに意味はあったのだろうか。 強いて言えばアメリカの経済がガタガタになっていた頃と、そこから立て直した現在を比較したかったというのがあるのかもしれない。貧すれば鈍する。主人公も殺人クラブの青年ライルから金をもらえなきゃ車も引きとれずに真相にたどり着くことはなかっただろうし。なんだろう、アメリカが経済的に立ち直れたから事件の真相にたどり着けました感があるなw 酒は社会の潤滑油ならぬ、金は社会の潤滑油。

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