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劇場版 「Fate/stay night [Heaven's Feel] I.presage flower」 (2017)

監督
須藤友徳
  • みたいムービー 367
  • みたログ 1,841

4.27 / 評価:1,552件

裏切られた気分。3部作映画じゃなあ・・・

  • cie***** さん
  • 2017年11月25日 19時56分
  • 閲覧数 3021
  • 役立ち度 10
    • 総合評価
    • ★★★★★

Fateシリーズはstaynight・hollow原作(PC・レアルタ)等をプレイ、アニメ視聴済みです。

初日に観に行きました。序盤のセイバーとの邂逅シーンや凜とアーチャーとの出会いはダイジェスト風にまとめられていて一気に流れてしまうため、明らかに初見・初心者向けでなく原作や地上波のUBWを観た人、ファン向けの作品です。

映像面の美しさや動きはかなりハイクオリティだったと思います。ユーフォテーブルはTV放送のFateでも戦闘描写の動きや背景などの美術の技巧の凄さがありましたが今回もそれが良く描かれていたと思います。ただCGの多用のし過ぎ感も否めません。
音楽は素晴らしかったです。この作品独特の雰囲気を一層感じられて完成度の高さがうかがえます。特に主題歌であるAimerの『花の唄』は作品にある陰鬱さや重苦しさ、何よりヒロインである桜の心情を歌詞として実に見事に映しており、HFという作品のテーマを伝えることができています。映画館で聴いていたらとても感動して胸に来るものがありました。が、同時に映画館だとやはり他の観客のジュースをすする音やポップコーンを食べる音の雑音が不愉快なので、CDを購入してじっくり拝聴するのが一番です。

しかしながら、以上の点は確かに素晴らしいと思うのですが、この作品に満足することはできませんでした。

戦闘描写の凄さを語る点でランサーVSハサンのトラック上での戦いは今作の中で特に目を引く場面だと思います。しかし、激しい戦いを続けながらも尚走り続けるトラックは流石に可笑しいのでは?と失笑しそうになりました。設定的にランサーが深追いすることにも違和感を感じました。正直、章の戦闘描写を増やして派手なものにアレンジしたいがためにつくったみたいで、余計なものに思えます。
終盤でセイバーオルタが登場しましたが、セイバーが早期に脱落していなくなってしまうからこそ、視る者に深い衝撃や喪失感があるのに、すぐに再登場しそうな雰囲気を早くも与えてしまうのはどうかと思いました。

原作にはない桜が士郎の家に通うようになるエピソードを追加するなど、嬉しい部分は確かにありましたが、その他の桜のヒロインとして映える姿、士郎に運ばれる場面や桜の士郎への看病などがカットされてて非常に残念でした。
慎二や言峰等の会話場面のほうに重きを置いてしまい、その分、その他の桜やセイバーなどのキャラクターたちの日常とかでの絡み合いに割く時間が減って中途半端になり、碌に思い入れを抱ける暇もないまま駆け足展開で進んでいくため、原作ファンとしては映像化を期待していたシーンがなく物足りないです。すごい戦闘描写よりこちらのほうを描いてほしかったです。

HFは一番好きなルートで、何年以上も映像化を望んでいましたが、映画での制作ときいて、原作でも特に深く長いシナリオなので尺による話の制限など、非常に不安を覚えていました。実際、2時間×3章映画のようですがそれでも尺不足だと思います。
今作のヒロインである桜が、原作では物語とイベントが展開していくごとにその内面と抱えている本質など様々なものが掘り下げられていき、その姿に非常に心揺り動かされるものがあり、他のキャラクターたちとの絡みもあってか引き込まれるものがありました。しかし今作の制限された尺の中では、そのようなものがなく、ただなにか重い影を背負った儚さのある少女としか描かれておらず、描写不足としか思えません。
今作はシナリオの長さや内容の重さや表現とかを考えると映画ではなく、ガンダムUCのようにファン向けのイベント・先行上映などをしてOVAシリーズにでもすべきものでした。60分程度(またそれ以上の収録時間で)の映像で数か月に1本くらいのペースでリリースしていき完結という形にしていけば良かったと思います。『空の境界』でも全7章でやれたのだからできるのではないでしょうか。正直、Fateで三部作映画化するなら、HFよりもFateルートのほうが良かったです。
既に原作に触れている者としては、原作にあった各キャラがみせる魅力や、引き込まれる展開が不足してわだかまりが残ります。高評価が多いですが、一ファンとしては物足りない映像作品になってしまい、(誠に無礼なことを言わせていただきますが)映画という媒体での制作を決定してしまったスタッフに失望を覚えます。確かに映像の質の高さは改めてすごいと思いますが、どちらかと言えば見たいものは「物語」であって迫力ある作画ムービーではないので。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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