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湯を沸かすほどの熱い愛 (2016)

監督
中野量太
  • みたいムービー 904
  • みたログ 7,210

3.95 / 評価:6000件

熱すぎるぐらいに熱い愛だ

  • りゃんひさ さん
  • 2016年10月16日 17時54分
  • 役立ち度 216
    • 総合評価
    • ★★★★★

宮沢りえ主演の『湯を沸かすほどの熱い愛』、ひと足早く試写会で鑑賞しました。
監督は中野量太。
これまで『チチを撮りに』(未見)などの作品があるが、大々的に劇場で公開される作品は本作が初。
宮沢りえも主演するのは『紙の月』以来。
共演のオダギリジョーは、前日に『オーバー・フェンス』を観ているので、連日のご対面。
さて、映画。

山間の地方都市で銭湯・幸の湯を営む双葉(宮沢りえ)であったが、一年前に夫・一浩(オダギリ ジョー)が出奔してからは休業状態。
探偵(駿河太郎)に探索依頼をすると、あっさり隣町にいることが判明。
一浩を迎えに行くと、同居していた女に逃げられて、幼い娘の鮎子と二人暮らししていた・・・

といったところから始まる物語は、その後、双葉が末期癌であることが判明して、ジェットコースターに乗っているかのような展開をみせる。
高校でいじめられている娘・安澄(杉咲花)の物語、安澄と鮎子を連れての小旅行の本当の目的など、あまりにも起伏に富んだ物語なのだけれど、監督の巧みな演出にあれよあれよと乗せられてしまう。
久しぶりに、観客として「翻弄される」快感を味わったような思いがする。

そんな翻弄する物語を支えているのは、宮沢りえをはじめとする出演陣のリアリティある演技。

宮沢りえの、直接的な「熱い愛」。
ダメダメ父親だけれど、なんだか許せてしまうオダギリ ジョー。
双葉の「熱い愛」を正面から受け止めて、大きく成長する娘を演じる杉咲花。
そして、「他所の子」という思いもありながらも、幸の湯一家一員でありたいと願う、けなげな幼い鮎子(伊東蒼)。

このアンサンブルが素晴らしい。

なお、タイトルの『湯を沸かすほどの熱い愛』は、予想を超えたような結末を指す語であるけれど、巻頭の銭湯の煙突のカットで、勘が良ければ気がつく。
大団円直前の喪服の親族たちが河原で和やかに談笑するシーンを含めて、小津安二郎の『小早川家の秋』を思い出す。
最後のカットは、黒澤明の『天国と地獄』か。

評価は★★★★☆(4つ半)としておきます。

<追記>
エンドクレジットでわかるが、幸の湯の外景と内部のロケ地は別の場所。
銭湯内部は、東京文京区にあった「月の湯」というところなのだが、昨年2015年に廃業していました。
うーむ、この映画を観て訪れてみたくなったのだけれど、残念至極であります。

詳細評価

物語
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