母の愛情に恐怖を感じた
- tri***** さん
- 2020年9月27日 18時09分
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- 総合評価
この映画の良さが分からない人は国語が出来ない、情緒がわからない人だとレビューする人がいる。果たしてそうなのだろうか。
私は映画を見る時、それぞれのシーンにセリフにどんな意味があるのか考え込む方だ。勿論その考えが監督の意志と一致しないことも多々あるとは思うが、雑に見ることはしない方だと思う。
この映画もあらゆるシーンに後に回収される伏線があって、それぞれのキャラクタの心情が反映されて、とても細やかに展開されている。それを演じる人々の演技は素晴らしいし、全ての終着点になるオチもそれはきちんと用意されてる。
それは理解したと思う。その上で受け付けなかった。
恐ろしかった。
宮沢りえの演技は、演技に見えなかった。本物の死んでしまう間際の人だった。
家族は皆一緒なのに、一緒に居られるよう一番頑張っていた母親が一人病室で死にたくないと零す孤独にゾッとした。
酷評する人達はその絶賛する人達が感動した「愛」に恐怖したんじゃないだろうか。
その得体の知れなさ、底知れなさ、歪さに。
母の生き様は、最後、あの選択をする説得力があった。
正しく湯を沸かすほどの熱い愛は私には得体の知れない狂気に見えた。
母になれば分かるのだろうか。
いや、分かりたくもない。
あんな思いを抱えて死ぬなら、私はぬるま湯の様な愛でいい。
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イメージワード
- 恐怖
- 絶望的
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