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ニュースの真相 (2015)

TRUTH

監督
ジェームズ・ヴァンダービルト
  • みたいムービー 237
  • みたログ 961

3.50 / 評価:705件

他人事と思えない。忘れてはいけない事。

  • k4n***** さん
  • 2017年8月29日 1時31分
  • 閲覧数 157
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

宣伝では「疑惑の真相を探るミステリー推し」でしたが、実際に観てみると、この物語にとって、疑惑の真偽そのものは重要ではありません。
「質問すること」というジャーナリズム(もしくは正義感)の本質が、利益や権力にねじ伏せられた事実を観客に突きつけるための物語です。

主人公たちは「疑問がある。質問したい。質問に答えてほしい」という、至極シンプルで真っ当な気持ちから取材を進めます。
が、疑惑を向けられた人々は、疑惑は否定するが解明には非協力的で、まるで自らの保身に腐心しているよう。
一方、状況証拠は積み重ねられ、それによって主人公たちはより疑いを深めますが、次第に質問する側や、質問された事に勇気を出して向き合った人ばかりが傷つけられていきます。

確かに主人公側にも明確な落ち度があり、それを指摘され責任を負うのは正しいのでしょうが、それをもってして質問そのものを無かったことにすることはできないはずです。
しかし現実では、一つ傷を見つけると(時には傷と呼べないレベルの難癖でも)相手の全てを否定し、本来別の論点であるはずの「質問そのもの」も遡って封殺してしまいます。
作中でも描かれた疑問の本質に触れない保身的な対応、本来分けて考えるべき瑕疵や論拠のない誹謗中傷で発信者を攻撃し、「質問」そのものをフェイクと断じる非論理的な風潮ーーー「過去に海の向こうで起こった他人ごと」とは到底思えません。

今の日本でも「その反論は問題からズレていないか?」「その中傷に根拠はあるか?」「ネットのなまなかな知識やイメージ、偏見に囚われてないか?」「攻撃する事が目的化していないか?」といった感想を抱くような見るに耐えない言説や暴言などを頻繁に目にします。
そんな時代に生きているからこそ、立場や政治スタンスなど関係ない、「疑問に思った。だから質問する」という普遍的なものでありながら、貫くことが難しい気持ちを忘れてはいけない、と強く心に訴えかけてくる作品でした。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 恐怖
  • 勇敢
  • 知的
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