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エヴォリューション
2016年11月26日公開

エヴォリューション

EVOLUTION

PG12812016年11月26日公開

Kainage_Mondo

3.0

ネタバレ妖しいムードで押し通す。

巻頭から美しい海中シーン。ややあって画面左下に小さな文字でオープニングクレジット、つづいて画面右下に少し大きく題名が出、間もなく 海に潜る 二コラ ( マックス・ブラバン 以下敬称略 ) にカメラが寄る。そんな魅力的な掴みで始まった本作だが、全編を通して統一感のある不気味なムードに包まれ、ある意味 “ムードのみ” で魅せる作品だった。 色褪せた白壁の家々が並んだ村。海岸のすぐ傍に在りながら日々の生活の匂いが全くしない。比較的若い女性と少年たちだけが暮らすその村は、いったい何を生業としているのか ? 時刻を定めて与えられる黒い液剤は何か ? 等々、のっけから非現実の世界に引き摺り込まれる快感はあったが、その後も “ムード命” の展開が続いた。 村から程近いところにある病院らしき建物。これがまた怪しい。廊下のそこここに真の闇をかかえ、患者 ( 少年たち ) や看護師が言葉を交わす部屋の照明も素敵に薄暗い。その怪しの建物内で行われる処置や手術の数々の得体の知れなさと来たら、ね~ ! 理屈や医学考証など 糞喰らえ と言わんばかりの進行で、奇怪な映像で妖しいムードを前面に押し出しつつ無理を通してしまう。 人間描写も、物語も、そして主張さえも、何ひとつ其処には無い。禍禍しい ( まがまがしい ) ムードだけでは 81分 の尺でさえ長過ぎたのではないだろうか ? ? 映像は好みだったが、もう少し脚本に工夫が欲しかった。ルシール・アザリロヴィック監督、次回作をお待ちします。

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