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シーモアさんと、大人のための人生入門 (2014)

SEYMOUR: AN INTRODUCTION

監督
イーサン・ホーク
  • みたいムービー 137
  • みたログ 258

4.14 / 評価:214件

至福の音楽に酔いしれる。

  • じゃむとまるこ さん
  • 2017年1月6日 19時24分
  • 閲覧数 2244
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

確かに大人のための人生入門とは外してはいない邦題だと思いますが、これでは全く魅力が感じられない。
音楽のしかもクラシック音楽をこよなく愛する方のためのドキュメンタリーです。
したがって音楽シーンが素晴らしく、ピアノ教師・・・と言っても色々で、シーモア・バーンスタインさんは50歳代でコンサートピアニストを引退してピアノのプロを指導するプロ中のプロ。
そんなシーモアさんのレッスンの様子・・これがとても含蓄に富んでいて、演奏することは生きることというその内容に惹きこまれますし、彼のアドバイス一つで演奏が輝きだすという曲解釈の見事さにも興奮します。

また、シーモアさんがコンサートピアニストを引退した理由、世俗の成功と自身の音楽との乖離、演奏する幸せの在り方等、興味深い。

本作は、シーモアさんと出会って自身の俳優としての生き方に大きな影響を受けたイーサン・ホークが是非に、という思いで作った映画のようです。
シーモアさんとイーサンのトークシーンはこの映画には違和感があったのですが、というのは世俗の成功も結構大事だし、しようとしてできるものではない、孤高といえば聞こえがよいが単に独りよがりのいいわけでもあるからと思うのです。
とはいえ、成功している彼らですし、シーモアさんの音楽解釈や映画終盤の演奏シーンにはそんな違和感も吹き飛びます。

そんなこんなより何より、音楽が素晴らしい。
コラージュされるグレン・グールドの演奏シーン、もちろんバッハです、ああ、もう、感激です、涙なくして観られません。
もう一人、高名な英国人ピアニスト(お名前忘れました)の演奏するその姿、また音楽、その高揚感に酔いしれます(これまた涙が)
シーモアさんが語られる、「神は自分の中に存在する」その言葉に大きく頷かざるを得ません。

最後にイーサン・ホークが企画したシーモアさんのコンサート、場所はスタインウェイホール、地下でのピアノ選びから始まりますが、なんと会員には無償貸与、こういうシーンも興味深い。
曲はブラームスのインターメッツォとシューマンの幻想曲、センシティヴで力強い、自分の中の神の存在を信じる人の演奏であると思いました。

シーモアさんがピアニストを志すきっかけとなった曲がシューベルトのセレナーデ・・・これは激しく共感、有名な曲ですが軽いものではない、生きる苦しさや切なさ哀しさすべてを表現していて、子供が聴いてもその”何か”に囚われてしまう曲だと思います。

大阪ではシアターセブンという十三のミニミニシアター(40席くらい)で細々上映していますが、もったいない、とはいうもののほぼ満席でした。

とにかく泣けます、至福の時間でした。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 知的
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