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恋妻家宮本 (2016)

監督
遊川和彦
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  • みたログ 2,344

3.72 / 評価:1,882件

夫婦2人だけになる恐怖(笑)

  • UrbanDockGoer さん
  • 2017年2月2日 7時59分
  • 閲覧数 4541
  • 役立ち度 27
    • 総合評価
    • ★★★★★

俺の必修映画、阿部寛作品なので今回も楽しみにしていた。



《物語》
陽平(阿部寛)は50歳、中学校の教師、優柔不断の小心者。
妻美代子(天海祐希)と結婚して27年。一人息子が結婚・独立し、夫婦として大きな節目を迎えていた。 息子が出て行った晩、書棚の本に挟んであった美代子の署名入りの離婚届をたまたま見つけてしまう。「なぜだ」と聞きたくても言い出せないまま時が流れる。

一方、職場でも小さな問題が起きる。
担任するクラスの男子生徒克也(浦上晟周)の母親が父親の海外赴任中に不倫相手の車に乗っているときに事故に遇い、入院。家には祖母が居たが、厳格な祖母は嫁の不祥事を責めるばかり。明るく振舞う克也だったが、内心いたたまれない日々。 克也をうまくフォローできない陽平は女生徒明美(紺野彩夏)に「冷たい」「教師に向いていない」と鋭く指摘され、教師としても自信を失う。

陽平はある日、ふとしたことで美代子と喧嘩し、勢いで離婚届に署名して突きつけると、美代子はそれを持って家を出て行ってしまう。



《感想》
感じるところが多かったのは、まさに同世代の話だったからだろう。我が家も結婚28年、子育てはまだ継続中だが、間もなく下の子が成人。

息子が引っ越して行った晩に陽平が言うセリフ
「美代子も沈黙が怖かったのか?」
わかるー!
我が家にも遠くないうちに訪れる恐怖の2人きりの時間。
子供が産まれて来て以来、夫婦の会話は子供のことが中心。
子供が家に居なかったら、どうなるんだ?
はい、ちょっと怖いです(笑)


俺もいい夫、いい父親を十分全うして来た、 はず、 と思う・・・
それだけに、美代子が言い放った「あなたって結婚に向いてないよね」
的なことを急に言われたら、へこむよな。
急に自信が無くなるよね。 わかる、わかる。

結末はもちろん、予想どおりのところに収まって安心するのだけど、我が夫婦もそうなるために学んだことは・・・

子供の巣立ちは大きな変化であり、お互いに不安を抱えていることを理解することか。 そもそも自分だけが悩んでるとか、自分だけが我慢してるとか、考えちゃダメなんだろう。 その相対的大小はあるに違い無いのだが、大小を比べる術は無いし,比べようとしてはいけないのだと思う。 お互い様、あるいは相手の方が負担が大きいと思わなくちゃうまくいかないのだろう、夫婦という関係は。 


クライマックスは泣けたなあ、ホント。


夫婦関係以外でも、良かったのは生徒克也との話。
正論でしかものを考えない克也の祖母の真っ当な責めに対して、陽平は押し黙ってしまうのかと思いきや・・・
「正しいけど、優しくない」
「“正しい”と“正しい”はぶつかり合うが、“優しい”と“優しい”は交わり合う」
名言だなあ。 俺の経験でも、正論はある意味一番冷たい。 特に自分に非があるときに“正しい”ことを投げつけられると、ものすごいダメージを受ける。反省するとか、それを受け止めて頑張るということにつながらず、自己防衛のために過剰に反発するか、潰れてしまうほど落ち込むか、両極端になることが多いように思う。だから“正しい”ことを言うときほど、優しさに包んだ言い方をする必要があると思う。

“正しい”と“正しい”はぶつかるというのも真理だなあ。正しいことは1つとは限らないのに、お互いが正論と思っているから譲らない。 それに対して優しさは、相手を分かろうとする気持ちだから、相手が違うことを想っていても、ぶつかるわけがないのだな。こちらは凄くいいことを学んだような気がする。もう、とんがることが必要な年代は過ぎているし、これまで優しさが足りなかった分、これからは優しく生きる、 つもりになった(笑)



役者に関しても触れると、
阿部寛はマッチしてた。“海よりもまだ深く”とか本作の、なんだか頼りない男の役、とても合っていて上手い。

天海祐希も、陽平と対照的なスパッとした歯切れのよい妻に良くマッチしていた。クライマックスの可愛い美代子も良かったなあ。

その他印象に残った役者は、
学生時代の美代子役の早見あかりは可愛かった。彼女の主演作2作も観ているが、本作が一番可愛かった。出番はそう多くないが、もっと見ていたかった。


あと、克也を支える同級生明美役紺野彩夏は新人らしいがインパクトが有った。今後の活躍を期待したい。




心に迫る話になっている一方、コメディー要素もふんだんに織り込まれており、楽しくて心に染みる作品になっている。 独身者やまだアツアツの夫婦には「2人の恐怖」は理解できないかも知れないけど,特に50代の夫婦に強くおススメ。 迫り来る2人時代の予習として(笑)

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 笑える
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  • 知的
  • かわいい
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