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ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ (2015)

GENIUS

監督
マイケル・グランデージ
  • みたいムービー 202
  • みたログ 686

3.62 / 評価:495件

2人の天才がぶつかりあったとき

  • のら さん
  • 2016年10月21日 0時29分
  • 閲覧数 809
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

最初は、コリン・ファースとジュード・ロウ、夢の競演ってことでてっきり
イギリスの話かと思ったら違っていました。イギリス人監督の初長編映画ってことで信頼のおけるイギリスの俳優さんに託したんでしょうか?しかし舞台は世界恐慌後のNYです。

無頼派で、次から次へと情熱のままに言葉を繰り出すトマス(ジュード)は小説も饒舌で、表現が華美・過多…しかし彼の才能を見出したパーキンズ(コリン)は、彼に徹底的につき合い、削除するべき冗長な文章は思い切って削除し、トマスと話し合って、読者に良い作品を届けるべく編集者としてベストを尽くすのでした。「2年間でたった100ページしか削除してない」「大丈夫、あとまだたった98章しか残っていない」というパーキンズの言葉が、編集作業がいかに混迷を極めたかを物語っています。

一編集者として、いつも冷静にトマスを見つめる編集者パーキンズ。しかし彼の表情、ポーズに稀有な才能を見出した喜びを見てとることができます。普段冷静沈着な男だからこそ、ちょっといつもと違うしぐさ、例えば口笛をふくとか、そういった動作でどれだけ嬉しかったかというのが伝わってくるんですね。

もしかしてパーキンズは、自分は創作の才能がないので、小説を描く才能があるトマスに憧憬の念を抱きつつ、実は嫉妬もあったかもしれない。逆にパーキンズの手助けなくしては、自分はベストセラーを作ることはできないのか?と疑心暗鬼に陥るトマス。「自分一人の足で立ってみたい。一人で成功してみたい」と野望を持つ気持ちも十分に理解できる。

最後の展開はネタバレになるのでぼかしておきますが、冒頭から気になっていたパジャマ姿でも、帽子は欠かさずかぶっていたパーキンズが、唯一帽子をとるシーンがありますので、注目してください。トマスがパーキンズにとってどれほど貴重な存在か…というのがよくわかる場面です。

トマスには守るべき家族はおらず、パーキンズには帰る家、守る家族がいたというのが大きな違いだったのだろうか…と思いつつ、ふたりは深い絆でむすばれていたのもわかり、ぐっとくるエンディングでした。

物語全体としては、もっと知りたい部分、ちょっと説明不足かなと感じるところがなかったわけではないけれど、二人の名優の共演を見られて私は大満足でした。

詳細評価

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