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ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気 (2015)

FREEHELD

監督
ピーター・ソレット
  • みたいムービー 132
  • みたログ 447

4.07 / 評価:330件

ささやかで、当たり前の願いから。

  • ちゃび さん
  • 2016年12月22日 17時30分
  • 閲覧数 836
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

「私は、平等に扱われたいだけ」。
主人公のスゴ腕刑事ローレルの言葉が印象的でした。
典型的男社会の警察組織で「女だてらに」刑事であり、同性愛者であるというダブルのプレッシャーを背負って生きてきた彼女の、心の底からの想いでしょう。
レズビアンだと知られないよう周りを気にしつつ控えめに生活してきた彼女が守りたかったのは、愛する人との心穏やかな暮らし。同性婚法制化のための広告塔に祭り上げられたくないという抵抗も込められています。

声高に権利を主張して政治闘争を仕掛けた人たちの話だと、観る側も拒絶反応というか腰が引ける部分がありますが、この映画は「ただ、愛する人と静かに暮らすこと。愛する人の幸せを願うこと」というささやかな願いが貫かれていることで、ぐぐっと共感が引き寄せられます。

彼女の長年の相棒=デーンは、「ローレルは、正義に忠実すぎる理想主義者だと思っていた」と打ち明けます。まあ、You may say I’m a dreamerとジョン・レノンも歌っているように、理想主義者はしばしば夢想家だと笑われるかもしれない。
でも、揺るぎない理想がないと、世の中はぜったいにベターな方向には進まない。ニヒルを決め込まないで小さな声でも上げないと、生きづらさは分かってもらえない。しみじみそう思えた映画です。

キャストが良かった!
まず、こわもてマイケル・シャノンの善人役が新鮮でした。不器用ながらもローレルとステイシーに寄り添う優しさにしびれた。ローレルに友情以上/恋人未満の好意を持っている「ピュア」な感じも巧く表現できていたと思います。

そして、ゲイの活動家に扮したスティーブ・カレル。活動家にとって、ローレルとステイシーのカップルは「恰好のネタ」であり、支援と引き替えに彼女たちを利用しようとする。当然と言えば、当然です。一歩間違えば、思い込み激しすぎのハタ迷惑野郎になるところを、スティーブ・カレルは持ち前の愛嬌でチャーミングなキャラをつくっています。

大好きなジュリアン・ムーア。この人は、演じている感じがしないよねぇ。自然体で、とても魅力的。ガンに冒されてだんだん弱っていきながらも自分の役割を果たそうとする強さに、胸が締め付けられました。

一方、エレン・ペイジちゃん。自身がレズビアンだとカミングアウトしていますが、演技に力が入りすぎたのでしょうか、ボーイッシュな口調が不自然な気がしました。熱演だったけど…惜しい!

追伸、「あるべき家族像」を憲法に書こうとしている与党の議員さんに、首を揃えて観てほしいです。
いや、そもそもお客さんが少なすぎる。文科省推薦で生徒に観せるくらいでもいいのに。

詳細評価

物語
配役
演出
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音楽

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