4.0点
…あらすじは解説のとおりと書こうと思ったら空欄で、レビュー数も未だ4件のみだ。 よっぽど人目に付かない作品なのだろう。 …かつては凄腕の選挙戦略家だったジェーン(サンドラ・ブロック)だが、6年前の選挙で失敗し、“疫病神(カラミティ)ジェーン”と呼ばれるようになって引退し、地方で暮らしていた。 そんな彼女にベンら元同業者から成るチームはボリビア大統領選でペドロ候補を支援する仕事をしないかと誘い、ジェーンは渋々現地へ乗り出すのだった。 で、飛行機を降りると同時に高山病に罹ってヘロヘロになり、仕事が出来る状態ではなかった。 しかし、ジェーンは、ペドロの対立候補リベラの戦略家として、かつてのライバルのパット(ビリー・ボブ・ソーントン)が裏で糸を引いていると知って、俄然対決の炎が燃え上がるのだった。 で、各陣営ともに、相手候補の支持率を落とすべくお決まりのネガティブキャンペーンを繰り出すのだった。 それとともにジェーン(ペドロ)陣営は、原題の『Our Brand Is Crisis』を終始一貫押し通し、国民の危機感を煽るのだった。 で、ここで邦題の『選挙の勝ち方教えます』に苦言だ。 こんなコメディ染みた邦題では誰も観ようとしないよな。 サンドラ・ブロックが主演だというのに、レビュー数が未だ4件のみというのも頷ける。 オラッチだって観る前はコメディものを予想していたが、序盤こそ若干のコメディ要素はあったものの、中盤から終盤にかけては一段とシリアスになってくる。 本作は、2002年のボリビア大統領選をドキュメンタリー映画にしたものを基にしているらしいが、事実、アメリカの選挙戦略のプロたちが戦い合うという異常な大統領選挙であったらしい。 以下、ノンフィクションなのかフィクションなのか解からないが、もう少し書いてみよう。 で、当初、ペドロとリベラとの支持率は40ポイントぐらいの大差が付いていたが、ネガティブキャンペーンと『Our Brand Is Crisis』が功を奏して、僅差にまで接近するのだった。 で、大統領立候補者の三者討論会が開催されるのだが、そこでジェーンはパットに罠を仕掛けるのだった。 ジェーンは、かの有名なゲーテの格言をパットにぶつけるのだった。 その格言を素晴らしいと思ったパットは、早速リベラの演説の草稿に得意気に盛り込んでしまうのだった。 コン畜生!してやられたり!と思ったジェーンだったが、実は、してやったり!だったのだ。 ネタバレになってしまうが、その格言はゲーテのものではなく、なんと!ヒトラーの広告塔のゲッペルスの著作からの言葉だったのだ。 このことが公けにされて、パット(リベラ)はギャッフンだ~。 で、末端候補者のペドロが大統領に当選して、メデタシ…メデタシ……。 だと思ったら違っていて、今度は、ジェーンと国民がギャッフンだ~。 更にネタバレ全開になってしまうが……大統領になったばかりのペドロがいきなり公約違反を起こすのだった。 首都圏はデモ隊で埋め尽くされる。 選挙に勝って負けて、空港への道を急いでいたジェーンだったが、やおら車から降りてデモ隊に加わるのだった。 果たして、ジェーンは、その後いかなる行動に打って出るや?……といったストーリーで、なかなか見応えのある作品だった。 チンケな邦題に泣かされたサンドラ・ブロックが可哀想になったので、☆一つプラスしておこう。