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アメリカン・スリープオーバー (2010)

THE MYTH OF THE AMERICAN SLEEPOVER

監督
デヴィッド・ロバート・ミッチェル
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3.55 / 評価:42件

青春が終われば人生が終わる、十代の神話

  • tyaichiro さん
  • 2016年9月3日 21時08分
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

一見、何も起こっていないように見えるが、人生においてとてつもなく大きなことが起こる一晩。
監視は眠りについてしまい、お泊まり会(スリープオーバー)は、大人がいない子供だけのコドモ帝国になる。
幻想的な世界で、青春を探す、終わらせる、さらに続ける者たちの群像劇。
原題『The Myth』の通り、一瞬の神話でした。
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驚くことに、今作は、監督デヴィッド・ロバート・ミッチェル氏の次作となる『イット・フォローズ』と同じメッセージを言っています。

(敢えてこう表現すると)傑作青春映画『イット・フォローズ』での、オトナになることに憧れを持っている主人公は、性行為をしても(オトナになっても)世界が何も変わらないことに気付き、それどころか謎の「それ」に追いかけられます。性行為によって感染する霊的な「それ」は、劇中で「死」そのものであることが示唆されていました。
人はオトナになることで「死」を認識し、死ぬことがゴールの人生であるという「気づき」に苦しめられる。この地獄感は、今作における「青春が終わってしまった者」の集まる廃墟の終末感と重なりました。

監督作での青春を謳歌する若者は、水にプカプカと浮かびます。地に足がつかない不安点なイメージと、水面を反射する光の美しさ、全てが青春の最後の輝きです。
「♪後は静かに死んでいくだけ」
そんなエンディングソングの通り、青春の輝きを終えた人生は、残り死に追いかけられ苦しむだけなのでしょうか。

監督は
「死に追われることの苦しみを和らげる方法がある」
と言っているように思います。今作における青春を取り戻そうとする者の物語から、『イット・フォローズ』におけるラストシーンを思い出しました。

(改めて活字にすると恥ずかしいですが)死の苦しみを和らげる方法は「人を愛すること」「恋をすること」です。
『イット・フォローズ』を何故、青春映画の傑作と言ったかというと、愛し合う二人が死に追いかけられながらも手を繋いで歩く、本当にちっぽけだけど美しい最後の希望が提示されているからです。
そして、今作を何故、傑作と言いたいかというと、ラストに青春を引き延ばした者が見る青春の輝きと、青春が終わってしまった人でも「恋をすること」で青春を取り戻している様子が描かれているからです。

現実に苦しめられた時、私は他者を心から愛して、一瞬でも美しい「青春」を取り戻さなければなりません。

詳細評価

物語
配役
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映像
音楽

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