ここから本文です

モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ (2016)

MONSTER STRIKE THE MOVIE

監督
江崎慎平
  • みたいムービー 100
  • みたログ 1,184

3.91 / 評価:1177件

語るに落ちた作品だが…

  • maa00174 さん
  • 2017年12月22日 16時36分
  • 閲覧数 1317
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

公開時に一生懸命ステマをした残骸による高評価だと思うのだけど、ここまであからさまだと物悲しささえ覚える。
普通、円盤が出ると多少修正されていくものなんだが、そもそも、観た人間が少ないか、観てもレビューを書くほどの情熱にかられなかった人が圧倒的多数、ということだろう。
まあ、そういう作品だよな、と妙に納得してしまった。

「少年の成長を描いたロードムービー」っていうストーリーラインは悪くない。ていうか、これ自体を否定するのは無理ってくらい普遍的なものだし、特に若年層対象のゲームのアニメ化は大なり小なり、この辺に着地しなけりゃ作品自体が成立しないだろう。
だから、ストーリーラインは悪くないけれども、これにあれこれ言うのは意味がない。そのラインで何を語るか、どう語るか、が問題なのだ。

で、「何を」の部分はまあ、わかった。喪失は一人では埋められない、他者との関わりの中で埋め合わせがなされ、前進することが出来る、と言ったところだと思うが、少なくともそれは伝わった(キャラクターがほぼほぼしゃべってしまうので伝わらざるを得ないのだが)。

一方、「どう語るか」については、はっきり言って全然ダメだったと思う。個別にダメなところを挙げていくとキリがないので、特に致命的な一点を挙げると、リアリティライン(作品内のリアリティ)の構築がダメだ。
たとえば、主人公たちの移動方法。目的地はメールで教えてもらって、しかも、地図ソフト上に示されているにもかかわらず、なぜか、ナビは使わずに迷子になった挙句、なぜか、どこに向かうかもわからないトロッコに乗る。
まあ、「迷子」とか「トロッコ」という状況を描きたいのはわかるし、「子どもだから」という言い訳も出来ないことはないのだろうが、それにしても、不恰好なシナリオだと思わざるを得なかった。

(反論も詮無いことだとは思うが、「子どもだから」と言っても、そこそこテクノロジーを使い込んでいる子どもなんだからナビくらいは使えるように見える)

そして、全編に渡ってこの種類の違和感が頻発するので、そこでイチイチ余計なことを考えさせられてしまう。

たとえば、近年のマーベル作品は、あれだけ荒唐無稽なキャラクターが登場する(ほぼほぼ)現代劇にもかかわらず、この種類の違和感がほとんどない。
もちろん、バジェットが全然違うので、ルックの説得力では比較にならないが、たとえば、上記のナビ&トロッコ問題はシナリオで解消可能だ。ナビは使えても金はないのだから、既に子どもたちには制限がかかっている。つまり、「どこに向かうか」を問題にするのではなく、「向かう手段だけ」を問題にすればいい。トロッコも「行きたい方向に(金を使わずに)向かうにはこれしかない」って話にすれば違和感はない(まあ、そもそも、トロッコ自体が唐突ではあるが)。

マーベル作品もよくよく観ると、この種の違和感をセリフで解消している部分も結構あり、こういう工夫はバジェットはあまり関係ない。
翻って言うなら、本作のシナリオの練り込みが足りないのは明らかではないだろうか。

と、これまで、否定的な話しかしてこなかったが、ほぼ唯一、感心したことがあるので、最後にそこだけは書いておく。

物語の序盤、主人公の「大人が好きなことをやってるんだから、帰ってこなくたって、しょうがない」というセリフ。
これはクリエイティブ業に就いている大人には結構、刺さると思う。
正直なところ、ほとんどのセリフが凡庸以下の本作にあって、これだけは妙な生々しさがあり、本作の作り手たちが実際に言われたか、身を切るような思いで書いたもののように感じた。
個人的にはこのセリフがなければ、レビューも書かなかったと思うほどの良いセリフである。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • かわいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ