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エルネスト (2017)

監督
阪本順治
  • みたいムービー 199
  • みたログ 756

3.89 / 評価:638件

★観る意義がある、真っ直ぐで硬派な作品★

  • のんのん さん
  • 2017年10月16日 0時29分
  • 閲覧数 1655
  • 役立ち度 22
    • 総合評価
    • ★★★★★

予告が面白そうだったし、
チェ、ゲバラにも関心があったので、
楽しみにして、鑑賞!



南米ボリビア出身、日系二世の、
フレディ前村<オダギリジョー>は、
医者を志して、キューバのハバナ大学に留学する。

しかし、1962年キューバ危機を迎え、
大学内は、混乱する。

そんな中で、キューバ革命の英雄、
エルネスト、チェ、ゲバラ<ホワンミゲルバレロアコスタ>と、
出会ったフレディは、そのカリスマ性に魅了され、
その信念に、感銘を受ける。

やがて、ゲバラの部隊に、入隊したフレディは、
ゲバラと同じエルネストを、戦士ネームとして授けられ、
ボリビアの軍事政権を倒す戦いに、身を投じていくのだった。。。。



チェ、ゲバラが、有名な革命家ということは知っていたが、
実際に、ゲバラがどういう人物かという事を知ったのは、
映画「モーターサイクル、ダイアリーズ」で、
こんな、凄い人がいたんだと、とても感銘を受けた。

その後、ゲバラに関する本も読んだりして、
ボリビアのゲリラ戦で、一緒に戦った、
若き戦士達がいた事は、知っていたが、
その中に、本作の主人公である、
父親が日本人で、母親がボリビア人の、
日系人フレディ前村という人がいた事は、
全く、知らなかった。


本作は、キューバ革命後を、描いている。

観る前は、ゲリラ戦を描いた、
もっと激しい作品を、想像していたのだが、
そういった戦闘シーンは、ラスト近くにでてくるくらいで、
ほとんどは、ボリビア戦に至るまでの、過程を描いている。


オダギリジョーさんは、全編スペイン語のセリフで、
ボリビアの方言まで、勉強されたそうで、
その流暢なスペイン語に、驚いた。
それだけでも、すごくて、感心するが、
寡黙だが、真っ直ぐで、意志の強い役柄を、
見事に演じ切っていて、素晴らしい!!
今までは、とくに好きな俳優さんではなかったけど、
この役を引き受けられた気骨と、役に対する熱意が、
すごく伝わってきて、一気に、ファンになってしまった。


ブラジル人キャストも、みなさん好演していて、良かった。


チェ、ゲバラと、フレディ前村には、共通点があり、
二人共、裕福な家庭に生まれ、医師を目指していて、
革命に身を投じなければ、平穏で恵まれた暮らしを送れていた。
しかし、貧しい人達、虐げられている人達に出会い、
彼らを救いたいと思い、そのためには、
社会全体を変えなければいけないと、立ち上がった。


ゲバラは、キューバ革命で、たくさんの同志が、
命を落とした中で、生き抜いて、革命後は高い地位につき、
そのままでいたら、安泰な人生を送れたと思うし、
その後の、ボリビア革命に、携わらなかったなら、
命を落とすこともなかっただろうと、思う。

フレディ前村の場合は、革命もなしとげられなかったし、
名もなき戦士という感じで、彼のやった事は、
果たして、意味があったのだろうかと思ってしまう。

しかし、そんな低次元な事ではない、
目の前の苦しんでいる人達に、知らんふりして、
自分の幸せだけを考えて、生きる事は出来ないという、
二人の崇高な生き方には、ただただ、畏敬の念を感じた。


ゲバラは、キューバ革命後に、日本を訪問するが、
その時に、日本政府には、止められていたが、
急きょ日程を変更して、広島に行き、原爆ドームや、
原爆資料館を訪れ、平和記念公園で、慰霊碑に献花する。
そして、慰霊碑に刻まれた、

「安らかに眠って下さい、過ちは繰り返しませぬから」

という言葉を見て、「主語がない」と言う。

そのシーンが、とても印象的で、深く心に残った。


ラストに向けては、観ていて、涙が止まらなかった。


信念を貫き通す、ゲバラとフレディの姿は、
私利私欲のために、信念をコロコロ変える、
日本の政治家達とは、何という違いかと思った。


現状で、本作のような作品を作るのは、
なかなか、覚悟がいる事だと思うが、
阪本順治監督の心意気は、素晴らしい。


エンタメ性を重視する人には、面白みが欠けると、
思われるかもしれないが、自分は最後まで、
全く退屈する事なく、観られたし、
フレディ前村さんの事を知ることができて良かった。


真面目で硬派な作品で、今時の商業的な作品とは、
一線を画する作品だが、色々と考えさせられたし、
切ないけど、観る意義のある、作品だと思う。


本作を観られる場合は、「キューバ革命」と「キューバ危機」は、
少し調べておいた方が、わかりやすいかもしれません。


又、本作を観て、チェ、ゲバラに興味を持たれた方には、

「モーターサイクル、ダイアリーズ」
「チェ、28歳の革命」「チェ、39歳別れの手紙」も、
おススメです!★

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