母性とオッパイの愛情に満ち溢れた作品
- fg9***** さん
- 2018年1月9日 15時18分
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…あらすじは、横着をして、解説の次のとおり。
『母親が家を出てしまい置き去りにされた11歳のトモ(柿原りんか)が、おじのマキオ(桐谷健太)の家を訪ねると、彼は恋人リンコ(生田斗真)と生活していた。
トランスジェンダーのリンコは、トモにおいしい手料理をふるまい優しく接する。
母以上に自分に愛情を注ぎ、家庭の温もりを与えてくれるリンコに困惑するトモだったが……。』
トモ以上に、オラッチも生田斗真のリンコ役に困惑してしまったが、リンコの少年期(心は女の子)の苦悩もシッカリと描かれていたので、観続けるうちに、リンコの所作・振る舞いは完全に女性のものだと思うようになった。
そのリンコの母親(渡辺美佐子)はイイ人だったな。
自分の息子(娘)に偽オッパイを作ってブラジャーをプレゼントする場面は胸が熱くなった。
また、トモに次のように言う場面も母親然としてカッコイカッタな。
「子供でも、リンコのことを傷付けたら容赦しないから!」
で、トモは、本当の家族ではない叔父のマキオとリンコと暮らすことに自分の居所を見付け、リンコの工事したオッパイを介して真の家族のような幸せを見出していくのだった。
『彼らが本気で編むときは、』の編んでいる物は可笑しかったな。
108の煩悩のチ〇コだ。
108編み終えたら、それを燃やして供養して、戸籍を女性にするという発想も面白かったな。
編み終えた108の煩悩チ〇コを3人で投げ合う場面は微笑ましかったな。
マキオも真っすぐでイイ人だったな。
検査入院したリンコは、健康保険証が男性だったために男性の相部屋に入れられてしまうのだが、女性部屋に移せと看護師に怒り捲るのだった。
また、姉(トモの母親)に向かっても敢然とリンコは女性だと言い張るのだった。
マキオは、リンコのことを男性・女性の区別なく、一人の人間の人柄そのものを愛し、大切にしているんだな。
でも、幸せの時は長くは続かなかった。
リンコとマキオは、トモを自分たちの子供として養育する決意を固めた矢先に、男の許へ走ったトモの母親がトモを迎えに帰って来てしまったのだった。
トモにとっては、自分のことを捨てた親でも血の繋がった母親であることに変わりはなく、リンコはトモにどんなに愛情を注いでもトモの母親には成り得ないのだった。
ラストの別れは切なかったな。
リンコが編み物をする理由は、口惜しさや怒りを抑えるためと言っていたが、トモへの別れの選別の編み物は、悲しさや虚しさを鎮めながら編んだのだろう。
それが、編み物のオッパイというのも意表を突かれて可笑しかったな。
母性とオッパイの愛情の一杯に満ち溢れた非常に清々しい見応えのある作品だった。
小池栄子は、『草原の椅子(2013)』でも嫌~な女の怪演を見せていたが、本作での嫌~な女も抜きん出ていたな。
劇中、ビールを発明した人にノーベル賞をあげたいとあったが、喜怒哀楽を心静かに鎮めることのできる「編み物」を発明した人にもノーベル賞をあげたくなる……そんな作品でもあった。
(メモ 総レビュー数:2820件、2018年度:5作品目)
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