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ベン・ハー (2016)

BEN-HUR

監督
ティムール・ベクマンベトフ
  • みたいムービー 9
  • みたログ 147

3.01 / 評価:117件

むしろ古臭く感じる・・

  • aad******** さん
  • 2020年8月11日 1時50分
  • 閲覧数 482
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

大作にして傑作の1959年版とは似て非なるものです。

「比べても仕方ない」という意見もあるが、本作と59年版は何度となくBSで放映されており、そのさいに高い確率で「見比べて下さい」と言わんばかりに同じタイミングで放映されるので、比べてしまう。というか、比べてほしいから同じタイトルにしたのでは? 100億円もの巨費を投じてるし、同じ原作小説の映画化として、それなりの意気込みで作られたのだと思う。現代の技術を使えばずっと素晴らしい映像体験になる的な。

でも・・

あまりの小粒感アリアリな出来で、話もつまらなくなっています。解釈が子供っぽいというか・・。
そもそも「比べても・・」という意見が出るのも、「比べないでください」と言いたくなる出来だということではないか・・と気付かされたりもしました。


では、何かと比べることなく、本作を単独で観た場合はどうかというと、凡作という印象がほぼ変わらない。

この手のスペクタクル系の映画を始め、CG技術が発達して以降、その技術を駆使したSFとかアメコミとかの映画が氾濫するようになりました。その雑多な映画の「群れ」みたいな中の一つといった感じです。

59年版で見どころと言えるシーンはいくつかありますが、最も有名なのは戦車競走のシーンでしょう。こうしたスペタクルシーンも、CGを駆使すれば更に迫力あるものになるかというと、むしろCGでは見劣りがするということが再認識されます。

一昔前と違って、この手の映画がゴロゴロしている昨今、CGっぽい映像が古臭く感じてしまうと言いますか。


CGって、最初は目を見張りましたけど、さんざん観てるうちに、その空気感の無さに気づき始める。映像に奥行きや息遣いが感じられず、飽きてしまう。そのくらいCGには食傷してるので、それだけウリにした作品で楽しめる時代はもう終わってる気がする。

というか、むしろCGは映像の「黒子」のように、実写と全く遜色ないくらいに進化してほしいですね。あの、現実にはない独特の動きも、見慣れはしたけど、コンピュータの限界を感じさせられて、うっとうしい。何とかならないのかな・・。あらゆるシーンにおいて、実写の迫力を凌駕できていない。
たまに、ものすごく高度な技術のCGで、実写さながらの動きが観られる映画(の中のシーン)があるけど、つまりそのくらい実写を凌駕することが至難なのだと思う。その意味では今はまだ技術が拙いと言える。


今となっては画像処理スタッフが画面とにらめっこしながら加工してる姿まで想像できてしまうほど。恐らく制作費の実費の部分は、その人達の人件費なのだろう。


59年版は、もう今後、二度と撮れない作品なんだな・・と改めて思います。迫力のスペタクルシーンはもちろん、群衆シーンも全て本物の人間使ってるんだなあ・・なんて、別の意味で感動してしまう面もありますし、人間描写や、神話的な色彩のある物語にも、その思想的背景に深みを感じます。


CGが物珍しかった時期が過ぎ去って、当たり前になってしまった今、もうそれで目を見張ったり感動する観客は少なくなる一方でしょう。結局のところ、人の心を揺さぶるのは、物語の奥行き、人間描写の深さなどといったもの、つまり原点に帰っていくのではないかと・・。

本作はその点が、ありきたりのお涙頂戴でむしろ古臭く感じます。ストーリーや人物に奥行きがなく、家でゴロっと横になってポテチでも食べながら見る程度の作品といった感じでしょうか。


これに限らず、最近のリメイク映画は薄いものが多いですね。ストーリーや人間描写を練りに練るということができないのは、作者の頭脳に奥行きがないことの現れではないかと思います。本人が不真面目でやっつけ仕事をしているというのではないでしょう。作品への深い洞察や研ぎ澄ましができるかできないかが、映画作品のクオリティを左右するわけですが、映像づくりの技術が平均的に上がってくると、凡庸な作家でもそこそこの作品ができてしまうので、そういう作品が増えてくるのかもしれないですね。


本作を眺めながら、今はそうした凡作が量産される時期なのではないか、とも思いました。
いずれまた将来、そんな薄っぺらさに多くの観客が飽きてくる頃、深みのある名作を撮る映画作家が現れることを期待します。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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