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ベン・ハー (2016)

BEN-HUR

監督
ティムール・ベクマンベトフ
  • みたいムービー 9
  • みたログ 145

3.00 / 評価:115件

換骨奪胎したぶん胸が熱くならない映画

  • hes******** さん
  • 2020年12月20日 10時30分
  • 閲覧数 317
  • 役立ち度 15
    • 総合評価
    • ★★★★★

あの傑作1959年版はそのむかし1925年版とも比べられました。当時はカラーでトーキーというだけでも進化でありました。そこに名匠ウィリアム・ワイラーの演出力の息が吹きかかったんです。おまけにワイラーの厳しい演出要求(撮影テイク数が30~40回。とてつもなく時間がかかり取り直しが多かった。)に耐えられる役者根性をもった人材がいっぱいいたし、カール・タンバーグやクリストファー・フライ、ゴア・ヴィダルほか5人以上の人材(ワイラー含む)の脚本修正が、制作最中に幾度となく練り直しされたのも功を奏しました。

製作過程でまずその出発点が違うのですよ。宿命です。今回のリメイクの悲劇。どう言おうが比べられるのは当然です。だからこそこの結果です.おおコケ。例えセットやCGがすごくてもです。

1926年版と1959年版はこう批判されてきました。理由も添えます。特に1970年代以降のリバイバル公開から(若い世代の人々)。
1.3時間40分なんて長すぎるだろ!=答えを拙速に求める幼稚さ。
2.宗教嫌。=思想哲学に誤解と無知。因にベン・ハー副題「キリストの物語」
3.後半ラストまで40分は眠くなった。=思考怠惰で映像中毒(ゲーム中毒)
4.エスターがおばんくさい=好みの問題持ち出すな。
5.主人公ベン・ハーが地味=昔の俳優。現代若者俳優ではないし当然でしょ
6.いちいち細かすぎてストーリーはめんどい。=小説に慣れていない。

大方それらに集約できます。だから
1.時間短縮2時間半
2.宗教色をさらに極力抑えた
3.イエスの顔出し。表情・演技と、セリフで語らせて物語を端折った。
4.二番煎じにならない現代受けの細い顔。その代わり演技力は二の次。
5.ヘストンそっくりさんを避けたがその代わり演技力は二の次。
6.人間ドラマや緻密な脚本より鑑賞者の鑑賞時間耐性に合わせる事を優先。
※ついでにいうとオファー断った俳優や配給会社、監督、脚本家は数えきれず。
という結果になった・・・。駄作になって当然です。

特にリアルタイムで見た世代にとっては、戦車競走のスペクタクルシーンは勿論、2000年前の中東・ローマの異国情緒や、憎しみから希望を見出し大国ローマ帝国への反逆を企てようと躍起になるベン・ハーが、神秘的な力に依りつつも赦しに至って憎しみを捨て去るラストシーンには感銘を受けます。

この映画でメッサーラやベン・ハーが最後のシーンで家族愛よりも友情を描いたと言っていますが、そこが共感を得にくい所。SNSの時代に本当の友情ってありますか?かろうじて世の中に薄っすらでも残っているのはやっぱりほかでもない「家族の絆」ですよね。

心の琴線として扱いたかった制作側は、「家族の絆・慈愛」を無視して「友情」にもって行った時点で響きどころが無くなったわけ。感情移入者を狭めちゃったのですよ。信者さんたちにとってはイエスを軽く扱ったストーリーにはまらなかった。「友人」には裏切り者や疎遠になる可能性は十分あると言えますが、家族はそれにくらべて今の世知辛い世にありつつもまだまだ固い絆であり崩れにくい。それを映画の中で微小にしか描かなかったのはもったいなかった。

だからこの最新作の決着に満足しない人も多いのでなないかなと思うのですよ。私も当時公開3年前から期待したうちの一人ではありますが、DVD直行となった時点で落胆。試写会で興行主たちにウケが悪かったんですね。やっぱりなあ。と思いました。風と共に去りぬ然り、アラビアのロレンス然り、スター・ウォーズ然り、タイタニック然り、ロード・オブ・ザ・リング然り。リメイクは考えるべき作品ではなかったはずです。相当の自信がなければ。
ワイラー・ヘストン・アクション監督・物量(人・建造物・特殊効果・衣装その他)などすべてがそろわない限り無理だった。でもそれは飾り。やはり脚本と演技の実力者と演出家。この柱がなけりゃならなかった。

鬼滅の刃や進撃の巨人やなぜ受けるのか。特に進撃の巨人は練り込まれたストーリがあってこそのヒット。鬼滅は家族愛あってこそのヒット。長い時代を経ても変わらない普遍的な価値を世の人々は体感したいんです。

「音楽」も重要なことはしつこいですが、付け加えておきましょう。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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  • スペクタクル
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